1998 Fiscal Year Annual Research Report
新規立体選択的グリコシル化反応および簡便なオリゴ糖合成法の開発
Project/Area Number |
10440217
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
向山 光昭 東京理科大学, 理学部, 教授 (60016003)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎名 勇 総合研究所, 講師 (40246690)
|
Keywords | トリチル塩 / ルイス酸 / 2-デオキシピラノシド / グリコシル化反応 / チオカルバモイル基 / ワンポット合成 |
Research Abstract |
1.トリチル塩をルイス酸触媒として用いる2-デオキシ-α-ピラノシドの立体選択的合成 申請者らの研究室で開発した空気中で安定なルイス酸であるトリチル塩を触媒として用い、2-デオキシピラノースのグリコシル化反応を試みたところ望みの反応が円滑に進行し、この場合には熱力学的に安定な2-デオキシ-α-ピラノシドが高い立体選択性をもって得られることが分かった。2.チオカルバモイル基を利用する2-デオキシ-β-ピラノシドの立体選択的合成 上記の結果を踏まえて、これまで困難とされていた2-デオキシピラノースのβ選択的なグリコシル化反応の開発を試みた。最近、申請者らの研究室ではチオカルバモイル基の遠隔関与を利用する2-デオキシヌクレオシド類のα体およびβ体の立体選択的合成法を明らかとしている。そこで、チオカルバモイル基の遠隔関与をさらに活用することとし、2-デオキシピラノースの4位のα配向水酸基にチオカルバモイル基を導入することにより、この遠隔関与を利用して2-デオキシピラノースのβ選択的なグリコシル化反応を試みた。その結果、予期したように望みの2-デオキシ-β-ピラノシドが良好な立体選択性をもって得られ、熱力学的に安定なα-ピラノシドへの異性化を抑制しながら目的であるβ選択的な反応を行えることが明らかとなった。3.トリチル塩を用いる三糖合成反応 まず第一段階としてトリチル塩の存在下、1-O-アシル糖をグリコシド供与体として用い、これにチオグリコシドをグリコシド受容体として作用させることにより対応する二糖を系内で調製した。引き続き、第二段階として系内に酸化剤を加えることによって、調製された上述の二糖をグリコシド供与体に変換した。ここに第三のグリコシド受容体を加えたところワンポットで反応が円滑に進行し、良好な収率で目的とする三糖を立体選択的に得ることができた。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Kazuya Takeuchi: "Trityl Tetrakis(pentafluoro phenyl)borate Catalyzed Stereoselective Glycosylation Using Glycopyranosyl Eluoride as a Glycosyl Doror" Chemistry Letters. 555-556 (1998)
-
[Publications] Hiromi Uchiro: "A New Efficient Method for Catalytic Hydrolysis of Thioglycoside" Chemistry Letters. 567-568 (1998)
-
[Publications] Teruaki Mukaiyama: "Highly Stereoselective Synthesis of 1・2-trams-Glycosides Using p-chlorobenzylated Glycosyl carbonate as Glycosyl Donor" Chemistry Letters. 635-636 (1998)