1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440220
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
垣内 隆 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20135552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保原 大介 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60303864)
山本 雅博 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60182648)
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Keywords | フルオロメトリー / イオン移動 / 液液界面 / 相間移動触媒 / 界面錯形成 / 交流変調 / アゾカップリング / キノリノール |
Research Abstract |
本研究では、液液二相系における真に界面特異的な反応過程を、界面構造、分子機能、ダイナミックスの観点から系統的に研究することを目指している。本年度は、以下の実験的研究をおこなった。 1.交流変調イオン移動フルオロメトリー イオンの液液界面透過速度について、近年、多方面から興味がもたれているが、正確な実験データを得るのは容易でない。一昨年から取り組んできた、液液界面を横切る蛍光性イオンの透過機構解析のための交流変調イオン移動フルオロメトリーの手法を、今年度は、確立することができた。それにより、1,2-ジクロロエタン/水界面を横切る一連のキサンテン系色素イオンは、界面を横切る際に界面に吸着することを明確にすることができた。 2.8-キノリノール誘導体-金属イオンの界面錯形成 8-キノリノール誘導体は、金属イオンの溶媒抽出に古くから用いられているが、界面における錯生成過程についての知見は乏しい。本研究では、一連の5-アルコキシメチルー8-キノリノールと重金属イオンとの界面近傍での錯形成が、1:1錯体のみならず、1:2錯体生成を伴っていることを、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルピリジンをプロトン補足剤として用いることにより、初めて明らかにした。また、この1:2錯体の界面錯生成は、Ni^<2+>に比べ,Zn^<2+>,Al^<3+>では有意に遅いことを、サイクリックボルタンメトリーおよび蛍光ボルタンメトリーを用いて明らかにした。 3.液液界面における電位差に駆動された2相アゾカップリング アゾカップリングは通常、均一溶液系でおこなわれるが、ジアゾニウムが比較的親水性であるのに対し、カプラーは親油性のものが多く、相間移動触媒を用いた二相反応系もかなり研究されている。本研究では、分極性液液界面における界面電位差を駆動力とした二相系アゾカップリングが可能なことを初めて示し、その定量的な解析から、物質輸送と化学反応を明確に区別して地ら得ることができることを示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Young-Tae Kong and Takashi Kakiuchi: "Electrochemical Determination of the Lipophilicity Scale of Arenediazonium Ions Based on the Ion Transfer Across the Liquid Liquid Interface"J. Electroanal. Chem.. (in press.).
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[Publications] Takashi Kakiuchi: "A valanche transfer of charged particles across the electrochemical liquid-liquid interface"Electrochemical Commun.. (in press).