2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440228
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大串 隆之 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (10203746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 哲士 北海道大学, 農学部, 教授 (50001475)
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Keywords | 昆虫植物相互作用 / ヤナギ / 植食性昆虫 / 間接的相互作用 / 摂食促進物質 |
Research Abstract |
(1)札幌と宇都宮のイヌコリヤナギから採取したヤナギルリハムシの幼虫の生存率、発育期間、成虫体重を室内実験により比較した。いずれに関しても、個体群間に有意な差が見られた。また、発育期間については植物の影響が認められた。 (2)潜葉性鱗翅目ポプラシロハモグリの生存過程における種内競争と天敵の効果を調べた。競争、落葉、卵の落下による死亡はいずれも密度依存的に生じていた。逆に、高密度では天敵による死亡率が低下した。 (3)エゾノカワヤナギの齢がゴール形成ハバチと天敵の密度および死亡率に与える影響を調べた。ハバチの密度と生存率はヤナギの齢に対して負の相関を示した。一方、寄生率は若齢のヤナギで高く、ゴールに侵入するゾウムシによる死亡は齢が進んだヤナギで高かった。 (4)マエキアワフキの産卵に対するヤナギのシュート成長の反応を調べた。産卵を受けた場合には、補償反応により翌年のシュートの成長がよくなり、葉の枚数も多くなった。 (5)6種類のヤナギについて、植食性昆虫の寄主の認知に影響を与える揮発性物質の組成を調べた。葉から放出される揮発成分と含有量は種に特異的であった。 (6)ジャヤナギ上で優占しているタマバエ、アブラムシ、ヤナギルリハムシの間に成立する植物を介した間接的相互作用を調査した。ヤナギのシュートにゴールがつくと、側枝の伸長がよくなり、2次展葉が促進される。アブラムシとハムシは、それぞれ伸長したシュートと新葉に集まる。しかし、ハムシの摂食は新葉の質の低下を通してアブラムシの定着率を低下させた。これに対して、アブラムシに誘引されたアリは、ハムシの摂食を阻害した。 (7)ヤナギの葉に含まれるヤナギルリハムシの摂食誘引物質を解析した。オノエヤナギから採集したハムシでは、イヌコリヤナギよりもオノエヤナギの抽出物質に対して摂食活性を示した。一方、イヌコリヤナギから採集したハムシは、両種の抽出物質に対して同じように反応した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ishihara,M.: "Effect of variation in photoperiodic response on diapause induction and developmental time in the willow leaf beetle, Plagiodera versicolora."Entomologia Experimentalis et Aplicata. 96. 27-32 (2000)
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[Publications] Ishihara,M.& Hayashi,T.: "Photoperiodic induction and termination of adult diapause in the willow leaf beetle, Plagioderaversicolora (Coleoptera : Chrysomelidae)"Entomological Science. 3. 439-441 (2000)
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[Publications] Tamura S.& Kudo G.: "Wind pollination and insect pollination of two temperate willow species, Salix miyabeana and Salix sachalinensis"Plant Ecology. 147. 185-192 (2000)
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[Publications] Kagata,H.& Ohgushi,T.: "Preference and performance linkage of a leaf-mining moth (Paraleucoptera sinuella) on different Salicaceae species"Population Ecology. (IN Press).
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[Publications] 大串隆之: "生態系に見る共生のしくみ 『生命の地球6:食う食われる生物たち』"三友社出版. 191 (2000)
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[Publications] 大串隆之: "ダイナミックな生物間相互作用 -昆虫と植物との関係-『群集生態学の現在』(佐藤宏明,安田弘法,山本智子編)"京都大学学術出版会(IN Press).