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1998 Fiscal Year Annual Research Report

林床植物集団の遺伝的組成に及ぼす森林孤立化の影響の定量的評価

Research Project

Project/Area Number 10440230
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

大原 雅  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90194274)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高田 壮則  北海道東海大学, 国際文化学部, 助教授 (80206755)
Keywords林床植物 / 森林孤立化 / 交配様式 / 遺伝的変異 / 遺伝的多様性
Research Abstract

森林の孤立化は、林床の乾燥化や受粉を媒介する昆虫の飛来数の減少など、林床植物の生活にも大きな影響を及ぼす。このことは、林床植物の死亡率を増加させるほか、近距離個体間での交配が生じやすくなり集団の遺伝的多様性の減少を引き起こす。初年度は林床植物であるエンレイソウ属植物のうちエンレイソウとオオバナノエンレイソウの2種を対象に、集団の動態ならびに集団の交配様式および遺伝的組成に関する調査を行った。
エンレイソウは一度開花すると数年間連続して開花する特徴をもつ。この連続開花の進化的意義を明らかにするために、長期追跡調査データにもとずく数理モデル解析および交配実験を行った。その結果、エンレイソウは種子結実に消費する同化産物量をコントロールすることにより、翌年の開花個体の高い生存率を維持するとともに、毎年開花することにより安定した種子数の供給を行っていることが明らかになった。
一方、北海道東部地域に生育するオオバナノエンレイソウ集団は自家不和合性を示し、虫媒による完全他殖を行う。そこで、日高・道東地方において、集団のサイズならびに開花個体密度の異なる18集団を選択し、野外において除雄処理や強制受粉などの交配実験を行うとともに柱頭への他花花粉の到達量を調査した。さらに、アイソザイム遺伝子を用いた集団の遺伝的構造を調査し、集団サイズならびに開花個体密度と交配様式との関係を検討した。その結果、除雄処理ではすべての集団で種子結実が認められたが、多くの集団で強制受粉による種子結実率の増加が認められたことから、柱頭に運ばれる花粉の量により種子結実が制限されていることが明らかになった。また、実際に柱頭上へ運ばれる花粉供給量も、集団が小さく、開花個体密度の低い集団でより小さくなる傾向が認められた。

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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