1998 Fiscal Year Annual Research Report
野外測定・シミュレーションによる樹体の3次元構造の発達過程の解析
Project/Area Number |
10440233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
隅田 明洋 岐阜大学, 農学部, 助手 (50293551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沢 晃 龍谷大学, 国際文化学部, 助教授 (90288647)
竹中 明夫 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 主任研究員 (00188202)
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Keywords | 樹冠構造 / 葉群3次元構造 / 樹形 / コンピュータシミュレーション / レーザー測距計付電子セオドライト / 樹木の個体間競争 / 樹冠の形成過程 / 分枝構造 |
Research Abstract |
1. レーザー測距計付セオドライトを用いて広葉樹の大枝の3次元構造の予備的調査を行い、測定方法をほぼ確立した。条件がよければ葉の3次元的な位置や幹・枝の直径を実用的なレベルで測定することも可能であることがわかったが、今後方法をより吟味する必要がある。 2. 新規に作製した樹木の空間的な競争過程をシミュレートするモデルより、地形によって競争の結果が異なる場合があることを見いだし、国際集会(2nd International Workshop on Functional-Structural Tree Models,1998年10月、フランス)で発表した。(以上隅田) 3. これまでに開発された森林の葉群三次元分布の推定法(サイノメ刈り法、PCM法、CCDカメラ法、全天写真法、レーザー測距計トモグラフィー、レーザー面測距法)の吟味を行なった。CCDカメラを組み合わせたレーザー面測距法が、測定精度・所用時間等、多くの点で優れていることが明らかになってきた。今後この方法を用い、単純同齢林の葉群三次元分布を詳細に測定し、葉群分布様式の林分発達にともなう変化の様子を推定する。さらに、その様式と自然間引き関係のバラメターとの間に Osawa(1995:Can.J.For.Res.)の唱える関係が成立するかどうか吟味する予定である。(以上大沢) 4. 開発済みの樹冠形成プロセスのシミュレーションモデルの拡張を行い、個々の枝の物質収支や肥大成長も取り扱えるようにした。また、肥大成長を決める要因として、葉面積と樹幹断面積の比例関係、および力学的な安定性の保持の両者を取り込めるようにした。 5. 樹冠形成プロセスのシミュレーションモデルを構築する上で、個々の枝の挙動の環境依存性を把握することが重要であることが判明した。そこで、樹冠内の枝ごとの光微環境の測定と、その枝の死亡、伸長、分枝などの挙動との関係を調べた。(以上竹中)
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Sumida,Akihiro: "Branching angle as a factor affecting the outcome of competition among neighbouring trees. In : Second International Workshop on Functional-Structural Tree Models. Abstract Book. pp.85-86" INRA Research Unit on Tree Physiology,Clermont-Ferrand,France., 101 (1998)