2000 Fiscal Year Annual Research Report
野外測定・シミュレーションによる樹体の3次元構造の発達過程の解析
Project/Area Number |
10440233
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
隅田 明洋 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (50293551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 隆文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (40192174)
大沢 晃 龍谷大学, 国際文化学部, 助教授 (90288647)
竹中 明夫 国立環境研究所, 生物圏環境部, 室長 (00188202)
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Keywords | 樹冠の形成過程 / 葉群3次元構造 / 樹冠フラクタル次元と自己間引き / コンピュータシミュレーション / レーザ測距計付電子セオドライト / 樹木の個体間競争 / 樹冠構造 / レーザ光切断法 |
Research Abstract |
1.森林内の樹木群の幹・枝の三次元構造の測定データを基に、個々の枝の構造パターンについて解析した,その結果、隣接する個体や地形の影響をうけて発達する樹冠の構造を、個々の枝が枝相互間の位置関係や斜面の影響を強く受けながら発達する結果成立する現象として捉えることができた。このことは、個々の枝構造の発達をシミュレートすることが森林スケールの樹冠形成過程を再現できることの実証となることを示唆している。これらの研究成果の一部を国際学会において発表した。(以上 隅田) 2.樹冠内の光微環境とシュートの伸長成長との関係についてのこれまでの研究成果を踏まえて、樹冠形成プロセスを再現するシミュレーションプログラムの開発を行った。個々のシュートが置かれた微環境だけでなく、同一個体内の他のシュートとの相互作用にも依存した成長パターンを再現し得る点が、本モデルの特徴である。(以上 竹中) 3.樹冠フラクタル次元と自己間引きの法則との関連を探るため、樹冠のBox dimensionを林冠内で直接測定する方法を考案し、バンクスマツ林とポプラ林においてテストした。Osawa(1995)が予測した樹冠フラクタル次元と自己間引き線の傾きとの間の定量的な関係が確認された。この結果をまとめた論文を投稿準備中である(Osawa,A.and N.Kurachi(to be submitted to Ecology))(以上 大沢) 4.従来のレーザ面測距法の欠点を補うため、最近発売されたCCDカメラを用いてレーザ光切断法による林冠構造測定システムを再構成し、これを完成させた。また、林冠構造構成要素周辺に他の要素が存在する確率Fを距離xの関数として与えマルコフ過程に基づいて林冠構造を生成させるシミュレーションを行った。関数F(x)により様々な分布様式の林冠構成要素の空間分布が生成されたが、要素数が少ないときには一様分布のほうが、要素数が多いときには集中分布のほうが、要素間間隙の連結性が高い傾向があることが明らかになった。(以上 田中)
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Sumida, A., Terazawa, I., Togashi, A. & komiyama, A.: "Three-dimensional structure of branches for community-grown trees of a deciduous species, Castanea crenata, as related to their crown expansion patterns."Proceedings of the 4th International Symposium on THE TREE. (印刷中). (2001)