2000 Fiscal Year Annual Research Report
シアン耐性経路に注目した高等植物の呼吸エネルギー収支の生理生態学的研究
Project/Area Number |
10440235
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寺島 一郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40211388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 航 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80304004)
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Keywords | 呼吸 / シアン耐性呼吸 / 安定同位体 / 呼吸エネルギーコスト / 温度順化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、シアン耐性経路の活性の種間差や環境変化への反応を調べ,その背景となる生化学的なレベルの制御機構を調べることである.今年度は窒素栄養環境と温度環境に注目した. 1 シアン耐性呼吸経路は細胞内のエネルギーバランスとして働くと予想されている.低窒素栄養条件では葉に呼吸系の基質である炭水化物が蓄積し,細胞内が高エネルギー状態になりやすい.12,1,0.1mMの3段階の窒素条件で水耕栽培したホウレンソウの完全展開葉を用いて,シアン耐性呼吸経路の活性が増加するかどうかを検証した.低窒素条件下ではシアン耐性経路は働きやすい状態になっていた. 2 低温での栽培や根の活性測定が容易なネギ属のネギ4品種とニラ2品種を用いて,栽培温度が根の呼吸速度に与える影響を、シアン耐性呼吸経路に注目して解析した.根の呼吸速度の種による違いや温度による違いは,根の成長速度の違いでは説明できないが,イオン吸収の違いで説明できた.これは正味の窒素吸収速度と根の呼吸速度との相関が高いことからも支持された.呼吸速度に対するシアン耐性経路の最大活性は根の相対成長速度と高い相関が見られた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Noguchi,Ko: "Activities of the cyanide-resistant respiratory pathway in leaves of sun and shade species."Australian Journal of Plant Physiology. 28. 27-35 (2001)
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[Publications] Noguchi,Ko: "Costs of protein turnover and carbohydrate export cost in sun and shade leaves."Australian Journal of Plant Physiology. 28. 37-47 (2001)
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[Publications] 野口航: "駒嶺穆 監修 寺島一郎 編 植物の環境応答「環境応答のコスト」"朝倉書店(印刷中). (2001)