1998 Fiscal Year Annual Research Report
色素体とミトコンドリアの分裂装置の細胞生理学的及び分子細胞学的研究
Project/Area Number |
10440236
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒岩 常祥 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50033353)
|
Keywords | 葉緑体分裂 / ミトコンドリア分裂 / 分裂装置形成 / マイクロボディ / オルガネラの分裂 / イデココゴメ / 分裂期葉緑体 / 分裂リング単離 |
Research Abstract |
全体として研究は順調に進展したと考えている。新たに得られた知見としては次のようなものがある。 i) 葉緑体とミトコンドリアの分裂を80%以上と予想を越えて高度に同調化することに成功した。この系を使って葉緑体とミトコンドリアの分裂装置の形成過程を見直した。その結果、葉緑体の分裂装置は、これまで二重のリング構造と考えられていたのが、実は、内外のリング構造の他に、内外包膜の中間にもう一つのリング構造があり、結果として葉緑体の分裂装置は三重のリング構造であることが明らかとなった。一方ミトコンドリアは二重の膜構造であったが内側のリング構造ははっきりしなかった。 ii)葉緑体とミトコンドリアの分裂装置の形成過程を解析したところ、先ず葉緑体の内側の分裂リングが次に中間と外側の分裂リングが形成され、最後にミトコンドリアの内外の分裂リングが形成されることが明らかとなった。 iii)マイクロボデイは初期の葉緑体の分裂装置の形成には関与していないが、収縮に関与しているように思われた。この際にマイクロボデイも分裂した。亜鈴形となったマイクロボデイの両端に中心体様の構造が出現し、マイクロボデイの両端への分配に関与しているように思われた。 iv)葉緑体とミトコンドリアの内外の分裂装置の挙動を調べた結果、外側のリングは初期に現れた構造が最後まで収縮し、葉緑体を分裂させた。一方内側の分裂装置は収縮するに従って、構成成分が少なくなり、収縮と並行して減少していた。 v)様々の緩衝液、方法を駆使して、ついに分裂中の葉緑体のみを分離することに成功した。これには葉緑体の分裂装置が無償のまま残っていた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Miyagishima,S.et al: "Ordaly formation of the double ring structure for plastid and mitochondrial division in the unicellular algo" Planta. 206. 551-560 (1998)
-
[Publications] Miyagishima,S.et al: "Real-time analyses of chloroplast and mitochondrial division and differences in the beharior of their dividing rings during contraction" Planta.
-
[Publications] Miyagishima,S.et al: "Microbody proliferation and segregation cycle in the single microbody alga cyarielioschyson merolae" Planta. (in press). (1999)
-
[Publications] Higashiyama,T.et al: "Guidance in vitro of pollen tube to nohed embryo sac of torenia fournieri" The Plant Cell. 10. 2019-2031 (1998)