1998 Fiscal Year Annual Research Report
クロロフィルa/クロロフィルb比調節におけるクロロフィルaオキシゲナーゼ(CAO)の役割
Project/Area Number |
10440239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 歩 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (10197402)
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Keywords | クロロフィル / オキシゲナーゼ / 光適応 / 光合成 / 形質転換植物 / 代謝 |
Research Abstract |
クロロフィルbは光化学系集光装置の周辺部分を構成する色素である。そのためクロロフィルa/クロロフィルb比は光合成系の集光装置の大きさを決定する重要な要因である。本研究の目的は、最近申請者が初めて単離に成功したクロロフィルb合成遺伝子CAO(ChlorophyII a oxygenase)のクロロフィルa/クロロフィルb比調節に対する役割を明らかにすることである。そこで本年度は次の点に焦点を当てて研究を行った。 (1) CAO(クロロフィルaオキシゲナーゼ)の酵素学的解析 一般にアミノ酸配列からだけでは、その反応機構を結論できないので、生化学的な実験かを行った。大腸菌で大量発現させたものを酵素標品として用い、Zn-chlorophyII Ide aまたはZn-7-hydroxychlorophyllideを基質にその酵素活性を測定した。その結果両者ともZn-chlorophyII bに転換された。この結果によって、CAOはクロロフィルaを7-ハイドロキシメチルクロロフィルを経て、クロロフィルbに転換することが明らかになった。 (2) 生理学的解析 光強度に対するクロロフィルa/クロロフィルb比の変化をアラビドプシスを用いて調べた。その結果、低照度下で育てるとクロロフィルbの蓄積が誘導され、クロロフィルa/クロロフィルb比が低下することが解った。ノーザンハイブリダイゼーションによってCAOのmRNAの量を測定すした結果、低照度でCAOの発現が誘導された。 (3) 形質転換体の作製 CAOの発現とクロロフィルa/クロロフィルb比の関連を調べるためには、CAOを大量発現したり、発現量を抑制した時のクロロフィルa/クロロフィルb比を調べることは有効な手段である。現在35SプロモーターにCAOのcDNAをつなぎ、アラビドプシスのクロロフィルb欠損株に導入し、CAO遺伝子の過剰発現株を作成している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T,Tanaka: "Isolation of chlorophyll a oxygenase which is invelved in chlorophyll a formation from chlorophyll a" Proc.Nat.Acad.Sci.95. 12719-12723 (1998)
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[Publications] N,Sato: "Ribosomal proteins in the Cyanobacterium Anabena variabilis strain M3: Presence of L25 protein" Plant Cell Physiol.39. 1367-1371 (1998)