1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440243
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
浅田 浩二 福山大学, 工学部, 教授 (50027182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原口 博行 福山大学, 工学部, 講師 (10198905)
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Keywords | 活性酸素 / 葉緑体 / 循環的電子伝達系 / フラボデヒドロゲナーゼ / NAD(P)Hデヒドロゲナーゼ / モノデヒドロアルコルビン酸レダクターゼ / スーパーオキシド・ラジカル / ウォーター・ウォーター・サイクル |
Research Abstract |
植物がCO_2固定反応に利用できる以上の太陽光にさらされたとき、過剰の光エネルギーは活性酸素を生成するように働き、活性酸素による葉緑体機能蛋白質の酸化損傷によって光合成の光阻害が生ずる。過剰の光エネルギー・ストレスを緩和するため葉緑体は光化学系Iで活性酸素を消去する機構をもっているが,これまでこの分子機構を解明してきた。このシステムをWater-Waterサイクルと名ずけ、これが活性酸素の効率的な消去機構であると同時に、酸素分子を電子受容体とする電子フラックスを可能として過剰の光エネルギーを消去していることを提唱し、実際にWater-Waterサイクルが機能しないときに光阻害が生ずることを示した。このWater-Waterサイクルの新しい機能を含め、このサイクルの分子機構、生理機能についてこれまでの研究を総説にまとめた。 過剰の光エネルギー・ストレスを緩和している光化学系Iの循環的電子伝達系で電子中間体としてNAD(P)Hデヒドロゲナーゼが機能しているこを明らかにしてきた。このNAD(P)Hデヒドロゲナーゼの欠損したタバコは、過剰の光エネルギー・ストレスの下では光阻害をうけやすいことを明らかにし、このデヒドロゲナセーゼが実際にストレス緩和に機能していることを実証した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Endo,T.,Shikanai,T.,at al.: "The role of chloroplastic NAD(P)H dehydrogenase in photoprotection"FEBS Lett.. 457. 5-8 (1999)
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[Publications] Asada,K.: "The water-water cycle in chloroplasts: Scavenging of active oxygens and dissipation of excess photons."Annu.Rev.Plant Physiol.Plant Mol.Biol.. 50. 601-639 (1999)
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[Publications] Asada,K.: "The water-water cycle as aiternative electron and photon sinks."Philosophical Transactions Roy.Soc.,Series B. (in press). (2000)
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[Publications] 浅田 浩二: "活性酸素の生物学"化学と生物. 37. 251-259 (1999)
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[Publications] 浅田 浩二: "葉の光環境変動に対する迅速適応"植物の環境適応-生存戦略とその分子機構、渡辺 昭、篠崎一雄、寺島一郎(編). 107-119 (1999)
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[Publications] 浅田 浩二: "続・植物はなぜ日焼けをしないのか-紫外線フィルターとWater-Waterサイクル"Cytoprotection and Biology. 17. 1-9 (1999)
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[Publications] 浅田 浩二: "植物の葉はなぜ日焼けをしないのか?"光が拓く生命科学、生物の光障害とその防御機構. 4(印刷中). (2000)