1998 Fiscal Year Annual Research Report
繊毛虫類にみられる短縮型ヘモグロビンの構造と機能およびその分子起源に関する研究
Project/Area Number |
10440248
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
四釜 慶治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40004337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 玄一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00197360)
松岡 有樹 東北大学, 大学院・理学研究所, 助手 (30222293)
渡辺 彊 東北大学, 大学院・理学研究所, 教授 (20027494)
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Keywords | ヘモグロビン / ミオグロビン / ゾウリムシ / テトラヒメナ / 自動酸化反応 / 分子進化 / 繊毛虫 / イントロン |
Research Abstract |
従来、繊毛虫類に見られるヘモグロビン様タンパク質の研究では、まず繊毛虫を大量に培養して、そこから問題のへモグロビンを直接単離精製していた。しかし、このタンパク質の発現量は極めて低いために(1%前後)、広範な構造論的研究や速度論的研究を展開することは困難であった。そこで我々は、繊毛虫ヘモグロビンのcDNAを発現ベクターに組み込み、大腸菌TB1株を用いて大量発現系の構築を行うこととした。まず、テトラヒメナ(Tetrahymenapyriformis)のpacked cellからmRNAを調製し、ヘモグロビン遺伝子をクローニングした。しかし繊毛虫由来の遺伝子の場合は、通常「終始コドン」として用いられているUAGやUAAがグルタミンのコドンとして使われているので、これらのコドンをグルタミンのものに変更する必要がある。そこで、人工突然変異導入法によりcDNAのコドンを変化させ、これを発現ベクターpGEXに組み込んでいるところである。 次に、上記タンパク質レベルでの研究と同時に、「短縮型」ヘモグロビンの遺伝子構造についても、特にイントロンの挿入位量とその大きさに焦点を合わせて解析を進めている。一般にミオグロビンやヘモグロビンの遺伝子は「2introns and 3exons」構造を取っており、且つそれらのintronはいずれも極めて長大である。しかし、最近の知見によると、繊毛虫類にみられるintronは塩基数が20前後と極めそ短いものが多い。そこで、今回我々はテトラヒメナからゲノムを調製し、PCR法を用いて遺伝子構造の解析を行った。その結果、ゾウリムシの場合とは異なり、テトラヒメナHbゲノムには、intronが存在しないことが明らかとなった。このことは、グロビン族分子の起源を考察する上で、非常に重要な知見であると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Koshikawa,K.: "^1H NMR study of dynamics and thermodynamics of acid-alkaline transition in ferric hemoglobin of a midge larva(Tokunagayusurika akamusi)." Biochim.Biophys.Acta. 1385. 89-100 (1998)
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[Publications] Tsuruga,M.: "The Molecular Mechanism of Autoxidation for Human Oxyhemoglobin:Tilting of the Distal Histidine Causes Nonequivalent Oxidation in the β Chain." J.Biol.Chem.273. 8607-8615 (1998)
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[Publications] Tada,T.: "African Elephant Myoglobin with an Unusual Autoxidation Behaviour:Comparison with the H64Q Mutant of Sperm Whale Myoglobin." Biochim.Biophys.Acta. 1387. 165-176 (1998)
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[Publications] Shikama,K.: "The Molecular Mechanism of Autoxidation for Myoglobin and Hemoglobin:A Venerable Puzzle." Chemical Reviews. 98. 1357-1374 (1998)