1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440251
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
尼岡 邦夫 北海道大学, 水産学部, 教授 (50002085)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢部 衞 北海道大学, 水産学部, 助教授 (80174572)
仲谷 一宏 北海道大学, 水産学部, 助教授 (00002353)
|
Keywords | 千島列島 / 魚類 / 系統分類学 / 種多様性 / 生物地理学的境界 |
Research Abstract |
過去3年間に採集された魚類標本に加え今年度夏期に行われた千島列島の国際共同調査の際に採集された魚類標本約2,800個体を対象に分類学的精査を行い以下の新知見を得た。 1.千島列島中部から得られたタウエガジ科魚類キタノトサカAlectridium aurantiacumを詳細に記載し,西部北太平洋初記録種として学会誌に発表した。 2.千島列島において最も優占的な魚類分類群であるカジカ上科について分類学的に再検討し,未記載種4種および原記載以来初記録種2種含む4科21属31種を確認した。それらのうち未記載種2種については日本魚類学会年会において口頭発表し,さらに新種として命名・記載するため論文2報を学会誌に投稿した。 3.本研究で確認された千島列島の浅海性魚類5目14科60種について列島内での分布パターンおよび周辺海域での出現状況を基に生物地理学的に解析した結果,千島列島のウルップ島以東とエトロフ島以西で浅海性魚類の種組成が著しく異なること見出し,この間に生物地理学的境界が創成されているとの結論を得た。この結果の一部については,平成12年2月に開催された魚類の多様性に関する国際シンポジウムにおけるポスターセッションで発表した。 本研究課題の研究成果をまとめて報告書を作成するとともに,本研究で扱った千島列島産の魚類標本を北海道大学水産学部生物標本館に学術標本として登録し,データ・ベース化を図った。
|
Research Products
(1 results)