1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450007
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology, Hokuriku |
Principal Investigator |
今井 捷三 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (60006244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 穣 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (60262599)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 近接効果 / ペロブスカイトMn酸化物 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ペロブスカイトMn酸化物を高温超伝導体接合の障壁層(バリア)とするとき、厚いバリア厚さでも超伝導電流が流れるか否かを確認することが、第1の目的である。この目的にとり、高温超伝導体薄膜生成の再現性の悪さ、エキシマレーザ成膜に特有なパーティクルの付着による不均一性の発生が大きな問題であった。本研究費によりレーザ光学系の改善を行い、エクリプス法による成膜を行い、パーティクルの激減を得ることができた。ただし、薄膜配向、と再現性にまだ問題が残っているが、この薄膜を用い、傾斜型接合のための傾斜形成条件を調べた。従来に比べ、設計通りの傾斜を形成できることが確認できた。現在、傾斜加工による高温超伝導体薄膜へのダメージのため、微小面積ジョセフソン接合の製作には成功していない。接合製作条件の解明が今後の課題である。 一方、バリア材の探索も行い、従来のPrCaMnOに加え、NdBaMnO、YBaMnOの薄膜の作成と接合製作も行った。これらの材料は高温超伝導体と組成が近いものという観点で選んだ。接合製作の数も少なく、今後、製作条件の解明とともに高性能素子の実現を目指す。 また、接合開発の応用の大きな目的である、電界効果をPrCaMnO薄膜について調べた。単結晶で見い出されたと同様な巨大な電界効果が見い出された。 古くから研究されてきたLaCaMnO中のCaのBaへの置換効果を調べたところ、その物性の異常な変化を見い出した。ペロブスカイトMn酸化物の物性の新たな多彩性を明らかにしたものと考えている。
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