1998 Fiscal Year Annual Research Report
散乱光と蛍光とを同時に、かつ、別々の断層図とする半導体微小欠陥の検出法
Project/Area Number |
10450011
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
小川 智哉 学習院大学, 理学部, 教授 (50080437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬 敏雅 学習院大学, 計算機センター, 助手 (60255263)
津留 俊英 学習院大学, 理学部, 助手 (30306526)
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Keywords | 光散乱トモグラフィー / 半導体微小欠陥 / 評価法 |
Research Abstract |
弾性散乱光と非弾性散乱光の波長差による収差を補正し、入射スリット上と出射スリット上の位置関係を一対一に対応させたマルチチャンネル型ポリクロメーターとデュアルモード冷却CCDカメラ、精密型自動ステージを組み合わせることで弾性散乱光、非弾性散乱光を分離しそれぞれの断層図を得る半導体微小欠陥検出システムを構築した。欠陥の同定には複数の観察法と計測法を用いることが不可欠であるが、このシステムによって同一欠陥を、時間と空間の同一性を保証して観察することが可能となった。 従来、出射光をイメージインテンシファイヤーで増幅しビディコンカメラで検出していた微弱光であるラマン散乱光なども、本システムで用いた量子効率が非常に高くS/Nが良いCCDカメラ(C4880-30-26A)に置き換えることで検出効率が向上した。更に、ダイナミックレンジが広い散乱光の検出も16ビットで検出、保存可能であることも大きな利点である。 転位が絡み合い平板を形成したdislocation wallが存在しているZnSe半導体結晶の観察、評価を行った。これまでの研究でwall近傍数10μmの範囲に格子振動のTOモード、LOモードの強度変化が見られたが、本システムを用いた観察を行ったところ、この範囲は数μmであることが分かった。また、250cm^<-1>から500cm^<-1>の間にこれまではノイズに埋もれていたモードが新たに見られた。このモードは二次ラマン散乱光あるいはローカルモードでは無いかと考えられ、現在同定中である。
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