1998 Fiscal Year Annual Research Report
位相シフト・ディジタル・ホログラフィによる3次元画像計測
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10450030
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山口 一郎 理化学研究所, 光工学研究室, 主任研究員 (70087443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 明弘 理化学研究所, 光工学研究室, 研究員補 (30260201)
加藤 純一 理化学研究所, 光工学研究室, 先任研究員 (70177450)
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Keywords | ホログラフィ / 3次元記録・再生 / 干渉計測 / 位相シフト法 / 顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究の目的はホログラムをテレビカメラで記録し、計算機で再生することにより、3次元情報の伝送と計測に新しい道具を付与することにある。本手法によれば、従来の写真や非線形材料へのホログラムを記録に要した手間が省かれ、かつ再生にも光学系がいらないので簡便で定量的な解析を行うことができる。ホログラムをテレビカメラに記録するときに従来のように軸外しでなく同軸の配置をとるためホログラムの構造が粗くなり、しかも参照光の位相を90°ずつずらせて撮影した4枚の画像を使い、ホログラム上の複素振幅を直接求めるので0次や共役像も生じない。これにより広い画角の再生像を得ることができる。 当該年度においては位相シフトデジタルホログラフィを3次元顕微鏡と位相物体の解析に応用し、良好な結果を得た。まず顕微鏡への応用では対物レンズを入れずにホログラムを撮影する方法と、対物レンズを挿入する方法の二つを試みた。前者では物体距離20cmのときに分解能15μmを観測し、後者では20倍の対物レンズで1.5μmの分解能が得られた。いずれの配置においても1回のホログラム記録で再生距離を変えることにより物体の3次元構造を知ることができた。3次元位置を定量的に求める実験として径5μmのポリスチレン粒子を使い異なる再生位置での粒子像の中心位置と拡がりを画像処理によって算出し、それから粒子の3次元位置を横方向0.5μm、縦方向0.05μmの分解能で求めることができた。位相物体の解析においては、再生位置での位相分布を直接計算できることを利用して通常の干渉計の場合のように波面の空間伝播によるぼけの影響うを受けずに、ステップ構造などを明瞭に示すことができた。 以上の研究によって位相シフトデジタルホログラフィにより機械的な焦点合わせの不要な3次元顕微鏡と従来の干渉法より簡便かつ定量的な位相物体の解析法が実現した。今後の課題は記録の高速化と3次元像再生の高速化と表示法の工夫にある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] I.Yamaguchi and T.Zhang: "Phase-shifting digital holography." Opt.Lett.22,No.16. 1268 (1997)
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[Publications] T.Zhang and I.Yamaguchi: "3-D microscopy with phase-shifting digital holography." Opt.Lett.23,No.15. 1221 (1998)
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[Publications] T.Zhang and I.Yamaguchi: "Size and position analysis by 3-D microscopy with phase-shifting digital holography." Opt.Eng.38. (1999)
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[Publications] T.Zhang and I.Yamaguchi: "3-D microscopy with phase-shifting digital holography" Proc.SPIE, San Diego, Jul.3479. 152-159 (1998)
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[Publications] I.Yamaguchi and T.Zhang: "Phase-shifting digital holography and applications." Proc.Optics for Information Infrastructure(OII'98)Tianjin, P.R.China, Aug.394-396 (1998)
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[Publications] I.Yamaguchi and T.Zhang: "Analysis of phase-objects by phase-shifting digital holography." Proc.3rd.International Symposium on “Optics in Engineering", Kajaani, Finland, Jan.B1 (1999)