1998 Fiscal Year Annual Research Report
重なる反射波の波形分離による超音波探傷法の高性能化
Project/Area Number |
10450054
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
西脇 信彦 東京農工大学, 工学部, 教授 (90016626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 貞成 東京農工大学, 工学部, 教授 (10013715)
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Keywords | 超音波探傷法 / 波形分離 / 高分解能 / シンプレックス法 |
Research Abstract |
本年度は,重なる超音波の波形を分離して超音波探傷法を高性能化する方法を確立するために,以下のような研究を行った.1.プラスチック成形品のウェルド付近と他の種々の場所について焦点径0.2mmの焦点型超音波送受信子を使って,水浸法により成形品表面から反射してきた波形を観測した.また,水槽底面から反射してきた反射波の形と成形品表面からの反射波の形の違いについて調べた.2.他の反射波が重なり合っていないと思われる水槽底面からの反射波形状を基本として,成形品表面からの反射波は2つのこの波形が時間遅れと減衰を生じて重なり合うと仮定して,各反射波を求める方法について検討した.なお,この際,超音波波形をコンピュータによりデジタル的に処理するために,波形取り込みのプログラムを作成した.以上のような研究を行った結果,以下の事柄が明らかとなった.1.成形品表面で反射した反射波の形状は測定場所によって異なる.同じ形の送信波が投射されているので,表面からの反射波形状が異なる原因は,成形品表面近くで超音波が反射して表面での反射波と重なり合っていると考えられる.また,観測された成形表面からの反射波形状は水槽底面からの反射波形状とも異なる.2.観察された波形から個々の波形を分離する方法として,水槽底面からの反射波を基本波形として用い,シンプレックス法により個々の波形形状を重ね合わせた合成波形状が観察波形と一番一致するようにパーソナルコンピュータで計算・処理を行うプログラムを作成し,波形分離を行った.その結果,成形品表面から30μm離れた一の欠陥を検出できた.しかし,初期パラメータの入力が分離結果に影響を与えるため,今後改良する必要がある.以上のように,デジタル処理により波形分離を行える目処が付いた.
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