1999 Fiscal Year Annual Research Report
極限環境下での高機能トライボコーティング材の微細構造解析と設計
Project/Area Number |
10450058
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
島田 尚一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20029317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
打越 純一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90273581)
稲村 豊四郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (60107539)
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Keywords | トライボコーティング材 / 超格子薄膜 / 機械的特性 / 計算機実験 / 分子動力学 / 計算機援用設計 |
Research Abstract |
本研究は、分子動力学法(MD法)およびそれを拡張した解析法を用いた計算機シミュレーションによって、トライボコーティング材の硬度、摩擦・摩耗特性などの機械的特性や熱伝導、熱ひずみ、相変態などの熱的特性と材料の構成度子種や微細構造との関連を解明する手法を確立し、その成果をもとに、高機能トライボコーティング材の特性予測および効率的な計算機援用設計のための手法を提案することを目的としており、今年度の主な研究成果は以下の通りである。 (1)従来の分子動力学法の限界を克服し、より現実的な解析を可能にする拡張分子動力学法として、時間・空間スケールの拡大・縮小ができる繰り込み変換分子動力学法および境界の拘束を回避できるMD/FEMハイブリッドモデルを完成させた。 (2)異種原子間のポテンシャルを取り扱うことができるMEAMポテンシャルを用い、第一原理計算結果とのフィッテングによってパラメーターを決定し、TiN/ZrN超格子のMDモデルを完成させた。また、上記のモデルを用いた超格子薄膜のシミュレーションによる機能評価法を確立した。 (3)上記の超格子モデルを用いたMDシミュレーションを行い、積層周期が小さくなるほど機械的特性が向上することを明らかにした。この結果は機械的特性が極めて高くなる最適積層周期が存在するという従来の実験結果とは異なっており、今後は薄膜中の欠陥の影響などを考慮したMD解析が必要と思われる。 (4)制御した雰囲気中で微小押し込み、引っ掻きなどを行い、その試料を観察できる、トライボロジー現象の実験的解析装置を完成し、超格子薄膜の実験的機能評価法を確立した。
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[Publications] T. INAMURA, S. SHIMADA 他: "Crack Initiation in Machining Monocrystalline Silicon"Annals of the CIRP. 48,1. 81-84 (1999)
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[Publications] 島田尚一他: "超格子薄膜の微細構造と機能"2000年度精密工学会春季大会講演論文集. (発表予定). (2000)