1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
芳井 熊安 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30029152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣内 弘章 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10233660)
安武 潔 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80166503)
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Keywords | 原子光学 / 単一速度原子ビーム / レーザー冷却 / 高磁気勾配磁気回路 / ナノストラクチャー |
Research Abstract |
本研究は、磁場勾配と原子ビームの磁気的相互作用を利用して単色原子ビームを生成し、従来にない高精細なナノリソグラフィー技術を確立する事を目的としている。 (1) 高密度の単色Li原子ビームを得るため、熱的ロスの少ない高効率なLi原子ビーム発生装置を設計製作した。作製した装置から得られる原子ビームについて、吸収分光法および、蛍光スペクトル測定により特性を調べた。その結果、従来の原子ビーム源と比較して、同程度のドップラー広がりを維持し、かつ密度を10倍に高めることができた。 (2) 速度分解能を左右する原子ビームの横方向速度広がりを抑えるため、レーザーコリメーションを行った。コリメートした原子ビームの空間的分布について、CCDカメラを用いたプローブ蛍光法により観測した。その結果、レーザー光との相互作用領域から80cm下流においても、十分な密度で原子ビームが存在していることが確認された。またLi原子ビームとの完全共鳴状態を実現するため、ドップラーフリー飽和吸収分光法を用いて、精度<±10^<-6>nmの精密波長標準を作製した。 (3) 単色原子ビーム作製用磁気プリズムの設計製作を行った。1000m/sのLi原子ビームを±10m/sの分解能で分離するためには、高い磁気勾配(0.09-0.13T/mm)が必要である。そのため、NdFeB系の永久磁石を選択すると共に、均一な磁気勾配を作製するため、八極子型の磁気回路を構成した。この回路構成によって得られる磁気勾配は、理論的には0.133T/mmと予想された。実際に作製した磁気プリズムの磁気勾配を測定した結果、0.1T/mmとなり、理論値と良く一致した。 (4) 単色化磁気プリズムの性能をシミュレーションした結果、50cm下流において、1000m/Sの原子ビームの縦方向速度成分を±10m/sの精度で単離できる事が明らかとなった。
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