1998 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ可変絞りによる高速・高精度・無限大剛性静圧ジャーナル軸受の開発
Project/Area Number |
10450068
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
吉本 成香 東京理科大学, 工学部・機械工学科, 教授 (80096718)
|
Keywords | 静圧軸受 / 可変絞り / 無限大剛性 / 動的特性 |
Research Abstract |
近年、研削加工やミーリング加工では、CBn砥石やCBn焼結材を用いたエンドミルを使用することによって、より高速の加工が可能になってきた。これにより、難削材の精密研削や切削液を用いないドライ精密切削など、より高精度で高能率な加工の実現が期待されている。本研究では、動圧効果を利用することなく高い剛性を実現し、低消費動力を可能とする軸受形式として、狭いランド部を持つ可変絞り型無限大剛性静圧ジャーナル軸受の適用を提案した。ここで提案する可変絞り軸受は、研究者がすでに提案している可変絞り要素を小型化(直径3mm)することによって無限大の静剛性を達成し、かつ優れた動的応答性をも実現できる形式となっている。 さてこれまで研究者がマイクロ可変絞り静圧軸受に対して行ってきた研究は、比較的高い粘度の油を考えており、実験も30〜50cStで行ってきた。しかし高速回転用の軸受には2cSt程度の低粘度油を用い、軸受消費動力の上昇を防ぐのが一般的である。そこで本年度の研究では、まず低粘度油を用いた場合のマイクロ可変絞り静圧スラスト軸受の静的、動的特性を明らかにすることを試みた。その結果、次のような結論が得られた。 (1). 10cSt以下の低粘度油を用いた場合には、軸受すきま内や毛細管絞り内を流れる流量が大きくなるため、流体の慣性力の影響を無視できない。 (2). 慣性力の影響により、静剛性の値は多少低下する。 (3). 低粘度油を用いた場合でも、ステップ荷重に対して軸受は安定に動作する。 この結果をもとに、来年度はジャーナル軸受を設計し、種々の特性を明らかにする予定である。
|