1999 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃波照射にあわられるガン細胞の鑽孔現象の動力学的機序に関する研究
Project/Area Number |
10450071
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高山 和喜 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40006193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 叡 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (10021982)
庵谷 尚正 東北大学, 医学部, 助手 (50232145)
佐宗 章弘 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (40215752)
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Keywords | 水中衝撃波 / 生体模擬物質 / ホログラフィー干渉計 / フーリエ縞解析 / 値シミュレーション / 二段軽ガス銃 / ガン細胞 / 鑽孔過程 |
Research Abstract |
水中衝撃波フォーカッシングを用いて手術なしに腎臓結石を破砕除去する治療法は衝撃波の最も有効な平和利用である。本研究グループは東北大学医学部との共同研究の一環として、体外衝撃波結石破砕術の設計製作に従事し、1987年、この装置は厚生省の薬事承認を得た。一方、水中衝撃波の医療応用はその応用範囲を、現在、脳血栓の低侵襲的な除去と血行再建術の開発、抗ガン剤と併用する癌治療法、整形外科の分野では偽関節の非侵襲的治療法、関節痛の治療など、また、新しい薬剤注入法の開発など医療全体に広げている。本研究は、抗ガン剤併用の癌治療における、衝撃波照射で遊離癌細胞あるいは組織癌細胞が穿孔される過程を、衝撃波工学の見地から明らかにしようとするものである。 2年間に研究活動を通じて得られた結果を予約すれば: (1)生体中を伝播する衝撃波の挙動を定量的に解明するためには、光学可視化法を中心にする計測法を用いるが、その精度には限界がある。したがって、数値シミュレーション法で生体と衝撃波の干渉を模擬することが必要である。そのために、生体模擬物資を特定して生体と衝撃波の干渉をアナログ実験することが重要である。ゼラチン球をひまし油中に充填して、その中を伝播する衝撃波の減衰と屈折を定量的に計測した。これは有効な模擬法である。 (2)有限干渉縞二重露光ホログラフィー干渉計法を開発し、フーリエ干渉縞解析法を用いて、非常に微弱な縞の変化から水中衝撃波の圧力変化を推定する方法を確立した。 (3)非一様媒体中の衝撃波と界面の干渉過程を定量的に数値模擬する差分法を開発し、空気中においた液滴と衝撃波の干渉、水中での気泡の挙動を数値的に明らかにした。また、実験と数値解とは非常に良く一致し本研究法の妥当性を検証した。 (4)縦型ガス銃を開発して、高速飛行体は液面を照射したときに水中の高圧を計測した。また、この装置が本研究目的に有効であることを実証した。 今後、この研究課題をさらに追求して、衝撃波医療の発展に寄与できることを確認した。
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[Publications] S.H.R.Hosseini,S.Moosavi Nejad,K.Takayama: "Propagation and attenuation of shock waves tissue models: a preliminary study of shock/tissue interaction"第13回日本ME学会秋季大会論文集. 37. 129 (1999)
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[Publications] K.Takayama: "Application of Shock Wave Research to Medicine"Book of Abstracts,The 22nd Int. Symp.On Shock Waves. 46-47 (1999)
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[Publications] S.H.R.Hosseini,S.Moosavi Nejad,K.Takayama: "A preliminary study on modeling of shock-tissue interaction"第33回日本ME学会東北支部大会講演論文集. 15 (1999)
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[Publications] S.Moosavi Nejad,N.Ioritani,M.Satoh,S.Orikasa: "Time evolution study of globo-series gangliosides expression on human renal cell carcinoma after shock waves exposure"Book of Abstracts,The 22nd Int. Symp.On Shock Waves. Paper No.4980 (1999)
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[Publications] S.H.R.Hosseini,S.M.Nejad,K.Takayama: "Study of underwater shock wave propagation in non-uniform media for medical applications"平成11年度衝撃波シンポジウム講演論文集. 617-620 (2000)
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[Publications] 小野洋也、齋藤 務、高山和喜、平野孝幸、吉本高志、上之原広司、高橋 昇: "岐部動脈癌内流れの数値解析"平成11年度衝撃波シンポジウム講演論文集. 661-664