1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450084
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹野 忠夫 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90013672)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 祐二 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50303657)
朱 学雷 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 講師 (40273255)
西岡 牧人 筑波大学, 機能工学系, 助教授 (70208148)
|
Keywords | すす / PAH / GC / MS / 数値計算 / 生成機構 / 環境 / 燃焼 / 拡散火炎 |
Research Abstract |
現在,大きな環境問題の原因として挙げられるすすに関して,その生成機構および抑制方法は見つかっておらず,未だ不明な点が多い.すすはNOxと並ぶ2大燃焼排出物であり,火炎中のその生成機構を理解することは我々人類にとって重要な課題である.これまでの研究報告によれば,すすはその前駆物質であるPAH(多環芳香族炭化水素)からできるとされているが,PAHの生成機構さえも十分に理解されていない部分が多い. そこで本研究では,対向流拡散火炎中を対象として,数値計算および実験を通じてPAHの生成機構を理解することを目的とする.前年度である平成10年度においては,約100種の成分と正逆500組の素反応を考慮した詳細な化学反応機構を用いた数値計算により,PAHの中で最も重要な働きを示すベンゼン生成に関する知見を得た.本年度においては,対向流拡散火炎中のベンゼン濃度分布および前年度の数値計算結果より推測されたベンゼン生成を支配する微量炭化水素成分をGC/MS(ガスクロマトグラフィー質量分析計)を用いて実験的に測定し,数値計算で得た知見の検証を行った.その結果,数値計算ではベンゼンおよびC3,C4系炭化水素の量を約半分以下にしか見積もらないことがわかった.また,ベンゼン生成領域は数値計算よりも定温領域に移り,それがすす発生に関係した影響であることも指摘できた.これらの結果の一部は,第37回燃焼シンポジウム(千葉,1999年12月)等にて発表され,この成果をもとに他の研究者達との活発な意見交換が行われた.
|
Research Products
(2 results)