1998 Fiscal Year Annual Research Report
動吸振器を利用した無重力環境下での高精度質量測定装置の開発
Project/Area Number |
10450090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
水野 毅 埼玉大学, 工学部, 助教授 (20134645)
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Keywords | 質量測定 / 動吸振器 / 宇宙実験 / 振動制御 / 出力レギュレーション / 繰返し制御 |
Research Abstract |
質量回転式測定装置の設計・試作を行った.試作した装置は,つぎのような構造となっている.弾性支持された試験台上にモータを固定し,その回転軸には円盤状の回転体(回転テーブル)が取付けられている.測定対象物は,この回転テーブルの所定の位置に付加される.試験台を支持するフレームには,測定に伴って生じる遠心力の外部への伝達を遮断するため,アクティブ動吸振器が取り付けられている.アクティブ動吸振器において,吸振質量を駆動するアクチュエータとしては,ボイスコイルモータを用いている. つぎに,制御システムを構築した.提案する質量測定装置では,試験台の振動を何らかの方法で零にした状態での吸振質量の振動振幅から測定対象物の質量を求める.振動を止めるのにいろいろなアクティブ制御に手法を適用することができる.本研究では,つぎの3つの方法について検討を行った. (1) 非減衰形動吸振器と等価な系を実現し,その固有振動数と回転速度とを一致させる. (2) 出力レギュレーション理論を適用する. (3) 繰返し・学習制御を利用する. これらの制御則を実装するには,DSPを核とするディジタルコントローラを使用した.実験の結果,(2)および(3)の制御方法を用いることによって,フレームの振動を確実に止めることができることを実証した. つぎに,回転テーブルにさまざまな質量をもつサンプルを取付け,質量の測定を行い,試作した質量測定装置による測定精度を実験的に調べた.その結果,かなりの精度で質量が測定できることがわかった. 試作した質量測定装置では,測定可能な質量の上限は動吸振器の吸振質量の可動範囲で決まる.そこで,被測定物の質量の大体の値が予想できる場合を想定して,サンプルと既知の質量を持つ分銅とを回転軸に関して対称な位置になるように回転テーブルに取付けて,両者の質量の差を測定する実験を行った.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Mizuno,T.: "Vibration Control Using Exogenous Signals Synchronized with Excitation" Proceedings of 4th Japan-France Congress & 2nd Asia-Europe Congress on Mechatronics. 192-196 (1998)
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[Publications] Mizuno,T.: "Active Dynamic Vibration Absorber with Automatic Frequency-Tracking Performance" JSME International Journal. 41・3. 378-383 (1998)
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[Publications] Mizuno,T.: "Application of Active Vibration Control Techniques to Mass Measurement" Proceedings of 1998 IEEE International Conference on Control Applications. 1. 609-613 (1998)
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[Publications] Mizuno,T.: "New Principles of Mass Measurement Using Dynamic Vibration Absorbers" Proceedings of 4th International Conference on Motion and Vibration Control. 237-242 (1998)
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[Publications] 水野 毅: "動吸振器を利用した質量測定装置の開発(第3報:振動式装置による測定実験)" 機械力学・計測制御講演論文集. A. 598-600 (1998)