1998 Fiscal Year Annual Research Report
Si-Ge-Cのエピタキシャル成長とバンド不連続制御
Project/Area Number |
10450114
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小長井 誠 東京工業大学, 工学部, 教授 (40111653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 明 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40220363)
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Keywords | IV族多元系混晶 / シリコン・ゲルマニウム・カーボン / ホットワイヤーセル法 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
HBTへの応用が進んでいるSiGe混晶ではGe濃度の増加が歪みの原因となるため設計の自由度が制限される。それに対し、歪み補正としてCを加えたSiGeC構造は格子定数とバンドギャップとの独立制御が可能であり、ヘテロ接合の設計の自由度を増す材料として期待される。 本研究では、IV族多元系混晶を第一原理計算を用いて解析し、また、SiGeC混晶の成長の前段階として、ホットワイヤーセル法によるSiのエピタキシャル成長を試みた。以下にその成果の概略を示す。 ・第一原理計算でSi、GeおよびSiGe混晶の格子定数を算出し、本計算の有効性を明らかにした。さらに、Si_<0.72>Ge_<0.25>C_<0.03>の格子定数を算出した結果、5,39[Å]となり、この組成範囲内でVegard s Lawが成り立つことを見いだした。 ・Si_<0.72>Ge_<0.25>C_<0.03>では構造の安定性を決める全エネルギーは生成エネルギーとC原子添加による歪緩和によって決まることを明らかにし、理論的にC濃度の低いSiGeC中にGe-C結合が見られないことを解明した。 ・SiGeCの結晶成長には低温成長が必要である。そのため結晶成長法として、本研究室において考案したホットワイヤーセル法を用い、Siのエピタキシャル成長を試みた。この方法では膜形成種として表面拡散長がより長いSiH_3ラジカルが支配的であり、SiH_2ラジカルが支配的である従来法と比べ、低温において成長が可能であるという特徴を有している。 ・成長初期のガス導入方法、背圧の改善を行うことで、成長初期にアモルファス層などが堆積することを抑制し、670℃という低温の基板温度においてSiH_4ガスのみによるSiのエピタキシャル成長に成功した。
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