1999 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電体の薄膜化により顕著に生じる特性とその強誘電体薄膜メモリに及ぼす影響の研究
Project/Area Number |
10450120
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
塩嵜 忠 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (80026153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 貴司 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (80314540)
岡村 総一郎 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (60224060)
堀内 俊寿 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10238785)
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Keywords | 強誘電体薄膜 / FRAM / MOCVD法 / 化学溶液堆積法 / 電子線微細加工 / 熱刺激電流測定 / 分極疲労現象 / インプリント |
Research Abstract |
次世代の主要なメモリ素子として期待されている強誘電体薄膜メモリーの実現の鍵となる強誘電体の薄膜化について詳細に調べ、薄膜化によって生じる品質・特性の変化やそれがメモリ素子特性に与える影響について考察した。 まず、特性の変化として分極疲労およびインプリント特性について調べた。熱刺激電流測定により、分極疲労させた試料では独特な熱刺激電流が明瞭に観測された。素子実用の妨げになりこれまでその詳細は不明であった分極疲労現象が、内部にトラップされた電荷によるドメインピニングによるものであることが明らかに出来た。さらに強誘電体薄膜にさまざまなパルスパターンを加えて、その特の電気的特性の変化を検討し、トラップ電荷による内部電界の存在やその影響について知見を得た。 さらに将来の要求を見込んで、薄膜のパターニングについて検討した。本研究で開発した強誘電体膜に適した手法である電子線誘起反応を用いたパターニングにおける、電子線照射量の増加による反応の進展を調べ、電子線により強誘電体薄膜前駆体に含まれる有機物の分解・蒸発が進むことを明らかにした。 本研究で得られた成果は強誘電体薄膜デバイスへの実用化に大きく貢献するものと期待される。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Shiosaki et al: "Thermally Stimulated Current and Polarization in Pb(Zr,Ti)O_3 Thin Films"Jpn.J.Appl.Phys.. 37. 5137-5140 (1998)
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[Publications] S.Okamura et al: "Analysis of the Electon-beam-induced Readtion in the Prcursor Thin Films of Ferroelectric SrBi_2Ta_2O_9"The 11th Proc.Int.Symp.on Applacation of Ferroelectris. 171-174 (1998)
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[Publications] S.Okamura et al: "Conspicuous Voltage Shift of D-E Hysteresis Loop and Asymmetric Depolarization in Pb-Based Ferroelectric Thin Films"Jpn.J.Appl.Phys.. 38. 5364-5367 (1999)
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[Publications] T.Nishida et al: "Preparation of La-Modified Lead Titanate Film Capacitors and Influence of SrRuO_3 Eledtrodes on the Electrical Properties"Jpn.J.Appl.Phys.. 38. 5337-5341 (1999)
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[Publications] 岡村総一郎 他: "MOCVD法による強誘電体PZT薄膜の合成とその物性"マテリアル インテグレーション. 12. 19-24 (1999)
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[Publications] 塩嵜忠 他: "不揮発性メモリー用強誘電薄膜の分極特性に及ぼす空間電荷の影響"マテリアル インテグレーション. 12. 25-30 (1999)
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[Publications] 岡村総一郎 他: "電子線誘起反応を用いた強誘電体薄膜の微細加工プロセス"マテリアル インテグレーション. 12. 31-36 (1999)