1998 Fiscal Year Annual Research Report
仕事関数制御による平面トンネル陰極の高輝度化に関する研究
Project/Area Number |
10450130
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 信之 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (10178759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋脇 秀隆 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (80241587)
江上 典文 ATR, 環境適応通信研究所, 室長
横尾 邦義 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60005428)
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Keywords | MOS構造 / トンネル冷陰極 / 2段ゲート構造 / 電子放射 / 仕事関数 |
Research Abstract |
1. MOSトンネル陰極を高輝度化(高効率化)するためには、ゲート電極を通過していく電子にさらに加速(エネルギー)を与えること、および酸化膜をトンネルした電子の酸化膜の伝導帯の走行距離をできるだけ短くすることが有効であるという指針を得た。 2. 従来のMOSトンネル陰極にさらにゲート電極を追加することにより、ゲート電極の仕事関数を独立に制御する2段ゲートMOSトンネル陰極を設計し、1次試作を行った。ゲート電極の仕事関数を独立に制御することは、ゲート電極を通過していく電子にさらに加速(エネルギー)を与えることと等価である。そして、2段目のゲート電極を配置することにより、極薄酸化膜をトンネルし1段目のゲート電極を通過していく電子に加速(エネルギー)を与えることが可能であることを実験的に確かめた。 3. 酸化膜の伝導帯の電子の走行距離をできるだけ短くするためには、基板側に低電界、ゲート側に高電界が印加される構造とすることが望ましい。この構造を人工的に作り出すため、MOSトンネル陰極の酸化膜中にフローテイング電極を加え、この電極に電荷を蓄積するMOSトンネル陰極を試作した。測定の結果、フローティング電極に電荷が蓄積され、基板側に低電界、ゲート側に高電界が印加される構造が実現されていることがわかった。
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[Publications] 嶋脇、三村、横尾: "トンネル陰極の電子放射高効率化の一考察" 応用物理学関連連合講演会. 2. 705 (1998)
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[Publications] 嶋脇、三村、横尾: "MOSトンネル陰極における価電子帯からのトンネルエミッション[II]" 応用物理学関連連合講演会. 2. 706 (1998)
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[Publications] 横尾、三村: "半導体電子源の電界電子放射特性" 真空. 4. 428-433 (1998)
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[Publications] K.Yokoo,H.Mimura: "Electron Tunneling Emission from a Si-MOS Diode" Extended abstracts of 2nd Int.Vacuum Electron Sources Conference. 4. 15-16 (1998)