1998 Fiscal Year Annual Research Report
自律的な故障修復能力を持つニューラル集積回路の研究
Project/Area Number |
10450131
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安永 守利 筑波大学, 電子・情報工学系, 助教授 (80272178)
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Keywords | ニューラルネットワーク / 集積回路 / フォールトトレランス / 自律システム / 自己組織化 / 生体情報 / 故障 / 欠陥 |
Research Abstract |
自律的な故障修復能力を持つニューラルネットワークの評価対象として,自己組織化マップ(Self-Organizing Map)を選び,その自律的な欠陥救済能力を定量的に評価した.自己組織化マップは,パターン認識,データ分類,自律制御等の分野で多くの応用が検討されている.我々は本研究に着手する以前に,既に欠陥条件下での自己組織化マップの新たな振舞いと高いフォールトトレランスを明らかにした.これは,WSI(Wafer Scale Integration)等の大規模集積回路に適している.しかし,そこでは欠陥ニューロンの出力を最大値スタックに仮定したため,ハードウェア化(集積回路化)の観点から一般性に欠けていた.最大値以下の場合,欠陥ニューロンが誤った勝者ニューロンとして選択されるため,これらは自己組織化の大きな障害となる.本研究では任意の誤り出力について評価モデルを提案し,その解析結果から,自己組織化が可能か否かを評価した.この結果,以下の事柄が明らかになった. 1) 臨界誤り出力値を導き,欠陥ニューロンの出力の平均値がこの臨界誤り出力値以上であれば,自己組織化が可能である.ニューロコンピュータを用いた基本実験により臨界誤り出力値の存在を示し,解析結果と良く一致することを示した. 2) 画像圧縮,顔画像認識の2つのアプリケーション中に欠陥ニューロンを入れた実験を行い,臨界誤り出力値がアプリケーションにおいても有効な指標となることを示した.さらに,臨界誤り出力値を用いて,ハードウェア全体が欠陥に対してフォールトトレラントである割合を示した.
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Research Products
(1 results)