1998 Fiscal Year Annual Research Report
エピタキシャル弗化物ヘテロ構造による集積化量子効果素子の研究
Project/Area Number |
10450133
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
筒井 一生 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (60188589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 宏治 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (10234056)
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Keywords | 弗化物 / 超薄膜 / 量子効果デバイス / CaF_2 / CdF_2 |
Research Abstract |
Si基板表面にエピタキシャル成長するCdF_2/CaF_2系の弗化物超薄膜へテロ構造を用いてSiデバイスと量子効果デバイスを直接集積化することを目的としている。今年度は、実験系としてCdF_2のn形導電化を可能とする専用の超高真空成長チェンバーを導入し、これの立ち上げを行った。その過程で平行して得た主な研究成果を以下にまとめる。 1. イオン注入層上に弗化物超薄膜ダイオード構造を形成するブレーナプロセス 従来はバルクのSi基板表面に縦型で形成していた弗化物へテロ素子をSiのMOS-FETと集積化するために、フィールド酸化膜(SiO_2)による素子分離と高濃度イオン注入層表面上への直接成長によるプレーナプロセスを構築した。 2. イオン注入層上のCaF_2超薄膜成長 弗化物超薄膜の成長特性の検証のために、上記のプレーナプロセスによって1〜2nmのCaF_2の単層膜によるMISダイオードを製作し、その透過電流特性を評価した。その結果、高濃度イオン注入層の表面に現れるラフネスのためにCaF_2超薄膜の絶縁特性が劣化する問題が明らかになった。これに対し、CaF_2の成長方法として用いている二段階成長法における成長温度の再検討を行い、初期の0.4nmを700℃で成長してから残りの第2層を従来の500℃から250℃まで低減して成長することでCaF_2層の平坦性を向上し、漏れ電流を低減できることを明らかにした。
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