1999 Fiscal Year Annual Research Report
人体内衝撃波パルス伝搬の数値シミュレーションと実験
Project/Area Number |
10450140
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
森田 長吉 千葉工業大学, 工学部, 教授 (40029137)
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Keywords | 体外衝撃波結石破砕 / 衝撃波パルス / 人体内衝撃波伝搬 / 非線形超音波伝搬 / 数値シミュレーション / FD-TD解析 / 水中伝搬実験 |
Research Abstract |
これまでドイツのReichenbergerによる電磁的衝撃波発射装置を用いた実験例を取り上げて,筆者の数値シミュレーション手法の妥当性検証を試みてきた.その結果,昨年までの成果として,水媒質の非線形パラメータ値を従来知られていた値よりもかなり大きく設定すれば実験で得られる衝撃波波形の主パルス部分については本手法による数値シミュレーションでほぼ再現できること,しかし主パルスの後に続く少し小さな振動部分は十分な再現ができないこと等が得られていた.これに対して本年は実験で使用されているレンズの実効面積を少し大きめに評価し,更に体積弾性率の非線形項に粒子速度の時間微分に比例する項を追加すれば,従来どおりの非線形パラメータ値でも実験波形に近い(昨年よりも近い)波形が得られることを見い出した.更に本年は数値シミュレーションで計算領域各部の音圧波形を詳細に調べた結果,主パルスの後に続く小振動部分の波形不一致の理由が数値シミュレーションで励振波源を与える際に波源分布両端付近を正しく与えていない点にありそうであるという極めて重要な事実をつきとめることができた.また本年は圧電振動子による衝撃波発射装置と水槽を用いた独自の実験装置を作成,工夫した結果,振動子のごく近辺を含め水槽の種々の場所で衝撃波波形を測定しそのデータをパソコンに取り込むことが可能になった.波形測定用ハイドロホンの傾きも自由に変更できるようにしたので,今後は極めて精度高く衝撃波波形の測定・記録ができるはずである.これらの成果は電気学会に論文として,また電子情報通信学会総合大会および超音波研究会に口頭で発表した.なお年度当初の予定どおり米国で開催された国際会議へ発表を計画したが,不本意にも申し込み原稿中(一頁制限)に本手法を検証するデータがないとの理由で許可されず実現できなかった.次年度にこれを実現する予定である.
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