1999 Fiscal Year Annual Research Report
電子メディアの『臨場感』『没入感』『一体感』を分析する行動指標とモデルの構築
Project/Area Number |
10450163
|
Research Institution | National Institute of Multimedia Education |
Principal Investigator |
望月 要 メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (80280543)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 尚弘 白梅学園短期大学, 心理学科, 教授 (10079204)
久保 新 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 助教授 (00278277)
大西 仁 メディア教育開発センター, 研究開発部, 助手 (40280549)
古屋 泉 身体障害リハビリセンター研究所, 研究員 (40296728)
永岡 慶三 メディア教育開発センター, 研究開発部, 教授 (90127382)
|
Keywords | 臨場感 / 感性計測 / バーチャルリアリティ / 実験的行動分析 / 視覚誘導運動 / 実験心理学 |
Research Abstract |
今年度は(1)言語条件づけを指標としたTV会議システムの伝送遅延の心理的効果測定の研究と,(2)重心動揺を指標とした全周型ディスプレイの視覚的効果測定の研究を中心に実施した. (1)言語条件づけを指標とした伝送遅延の研究では,double-agent法を用いた言語条件づけをTV会議システムを介して実施し,(1)TV会議システムが介在したコミュニケーションでも言語条件づけが成立する,(2)条件づけされた標的行動の自発頻度は,システムの音声と画像の伝送に遅延を付加すると減少する,(3)被験者は,この過程に対して意識性は持たず,条件づけ以外の情報伝達は伝送遅延の影響を受けずに継続できること,が明らかになった.これらの事実より,言語条件づけは,伝送遅延が引き起こすコミュニケーション・メディアの心理的『違和感』を定量化する指標として有効な候補の1つであるという結論を得た. (2)「誘導運動を利用した『臨場感』『没入感』の研究では,全周型ディスプレイを用いて,CG画像により誘導される重心動揺を計測し,多面でディスプレイの視覚的効果の大きさを確認した.また,画像要因以外の原因で引き起こされる重心位置の変動や,個人差に埋もれたデータのなかから,画像の効果を抽出する方法として,多変量自己回帰モデルを用いた手法が有望であることを確認した.
|
-
[Publications] 望月要、大西仁、永岡慶三: "誘導運動に伴う重心動揺を利用した大型ディスプレイの視覚的効果測定の試み"電子情報通信学会総合大会講演論文集. B11-1 (1999)
-
[Publications] 大西仁、望月要、河野友香、山岸直基: "言語条件づけを利用した通信遅延の心理的効果測定の試み"電子情報通信学会総合大会講演論文集. B11-2 (1999)
-
[Publications] 望月要、河野友香、山岸直基、大西仁: "言語条件づけにおける強化遅延の効果"日本行動分析学会第17回年次大会発表論文集. 98-99 (1999)
-
[Publications] 大西仁、望月要、永岡慶三: "重心動揺を指標とした3面サラウンド・ディスプレイの視覚的効果の測定"電子情報通信学会ソサエティ大会講演論文集. B11-B (1999)
-
[Publications] 大西仁、望月要、田中健二、鈴木建治、永岡慶三: "重心動揺を指標としたサラウンド・ディスプレイ・システムの視覚的効果の測定―多変量自己回帰モデルによる解析―"電子情報学会技術研究報告(CQ99-50). 21-26 (1999)
-
[Publications] Mochizuki, K., Ohnishi, H., Kono, Y., & Yamagishi, N.: "Applied behavior analysis for evaluating the telecommunicationsystems for distance education."Advanced research in computers and communications in education : New human abilities for the networked society. Vol. 2. 862-863 (1999)