1998 Fiscal Year Annual Research Report
生体とロボットにおける運動技能と知能行動の獲得に関する研究
Project/Area Number |
10450165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 宏司 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (30023310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 心知 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (10262966)
山北 昌毅 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30220247)
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Keywords | 身体ダイナミクス / リーチング動作 / 繰り返し学習 / マニピュレーション / インピーダンス / 内部ダイナミクス |
Research Abstract |
本年度は、動的環境に対する身体ダイナミクス形成に関する動作実験と繰り返し学習による身体ダイナミクスの形成理論について考察した. [1]身体ダイナミクス形成に関する操作実験 片手のマニピュレーション・タスクを例に、対象物ダイナミクスと身体ダイナミクスの関係を考察した. 1) インピーダンス制御可能な力センサを有する直交2自由度マニピュレータを製作した.これにより、任意のインピーダンス(慣性、粘性、弾性の総称)が設定可能である. 2) 仮想環境(粘性場)をマニピュレータ側に設定し、被験者にマニピュレータ・ハンドルを把持させながらリーチング動作を繰り返し行わせた. 3) 動作中に、ロボットを強制的に動かしたとき生じる手先反力から、ヒトが両手先に設定している運動インピーダンスを同定した.同時に、上肢の姿勢、筋電位を測定し、筋・関節レベルのインピーダンスを推定した. 4) リーチング動作の学習過程を分析するとともに、動作の作業空間を左右移動させ、学習の般化機能を解析した.その結果、大域的には学習は転移せず、リーチング動作の脳内表現が局所的であることが明らかになった. 5) 現在、対象物ダイナミクス・作業空間タスクと手先・関節・筋レベルの動的関係、身体(上肢)の冗長性と自由度配分が運動技能の獲得とともにどのように変化していくかを解析中である. [2]繰り返し学習による身体ダイナミクスの形成 1) 作業空間の操作性、運動の滑らかさ、エネルギー消費等を考慮した評価関数のもとで、学習的に内部ダイナミクス(関節インピーダンス)を獲得する手法を導出した. 3) バッティング動作及び幾何学的拘束下の繰り返し動作(例:クランク回転)に適用し、タスクに適合した身体ダイナミクスが獲得可能であることを確認した.
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[Publications] X,-Z,Zheng: "A System Sfructure with Trajectory Planning and Control for Robofic Dynamic Manipulation." Advanced Robotics. 11,7. 695-712 (1998)
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[Publications] 鄭 心知: "冗長マニピュレータの動的作業技能形成" 第3回ロボティクス・シンポジア予稿集. 227-232 (1998)
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[Publications] 小島一浩: "環境との相互作用によるパターン形成" ロボティクス・メカトロニクス講演会'98予稿集. IC112-8. (1998)
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[Publications] 稲村 渡: "冗長マニピュレータの運動パターン生成とバッティングへの応用" 第6会日本ロボット学会学術講演会予稿集. 1. 489-490 (1998)
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[Publications] X,-Z.Zheng: "Task Skill Formation in Redundant Manipulator Systems." Proc.of IEEE Int.Conf.Systems,Nauaud Cybernetics'98. 3295-3300 (1998)
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[Publications] 稲村 渡: "ダイナミックマニピュレーションにおける運動パターン生成と制御" 第11回自律分散システム・シンポジウム予稿集. 57-60 (1999)
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[Publications] 窪寺 裕之: "粘性力場における上肢動作の運動学習とダイナミクスに依存した汎化" 電子情報通信学会技術研究報告,ニューロコンピューティング(NC)研究会. (1999)