1998 Fiscal Year Annual Research Report
地盤と構造物のエネルギー収支効果を反映した振動台模型実験による損傷累積過程の研究
Project/Area Number |
10450174
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小長井 一男 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50126471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中埜 良昭 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10212094)
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Keywords | 振動台 / エネルギー収支 / 動的相互作用 / 構造物模型 / 実時間制御 |
Research Abstract |
構造物の地震被害を考える上で単独の地震だけではなく、複数の地震によって構造物内部に損傷が累積していく過程を考えなければならない。構造物内部で損傷の累積に関係するエネルギーは、地盤から構造物に与えられるエネルギーと、逆に構造物から地盤に逸散していくエネルギーの差として捉えられる。研究代表者らは、振動台の上で構造物と地盤の相互作用効果を、地盤模型を置くことなく再現するという新たな実験手法を開発した。本研究は、本手法をさらに発展させ、構造物模型の破壊過程をこれらのエネルギー収支と関連付けながら検討していくことを目的とするものである。 研究代表者らは、地盤と構造物の動的相互作用によって生じる地盤の応答の変動分が、代表的な地盤プロファイルや基礎形式に対して、基本的な3種類のインパルス応答の線型和を用いることで精度良く近似できることを示した。これらのインパルス応答は、アナログ回路や、ディジタルシグナルプロセッサーを用いて表現でき、既設の振動台システムに相互作用のシミュレーターを組み入れることができることは、既に基礎試験を行って確認している。しかしながらこれを構造物の破壊実験の実用的なシステムとするためには、回路定数の自動設定、および破壊を伴う構造物の高速の現象を記録し、その一部を振動台の制御装置に戻すことが求められる。このような制御・記録システムの構築を本年度に実施した。このシステムを用いて単純な構造物の加振予備実験を進めた。この実験では具体的な建造物の忠実な縮小モデルを用意するのではなく、地盤・構造物系のエネルギー収支の観点から、バランスの取れた非線型模型を準備することが眼目になる。具体的には摩擦の生じるインターフェースを有する積層剛体ブロック、柱状構造物模型でこれらの課題を検討した。
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[Publications] Konagai,K., Mikami,A.and Nogami,T.: "Simulation of Soil-Structure Interaction Effects in Shaking Table Tests" Geotechnical Special Technical Publication, ASCE. 75 (1). 482-493 (1998)
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[Publications] Konagai,K.and Nogami,T.: "Analog Circuit to Simulate Dynamic Soil-Structure Interaction in Shaking Table Test" International Jour., Soil Dynamics and Earthquake Engineering. 17 (5). 279-287 (1999)
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[Publications] Konagai,K., Uemura,O., Katsukawa,T.and Suzuki,T.: "Real Time Simulation of Soil-Structure Interaction Effects on Shaking Tables" Proc., 10^<th> Japan Earthquake Engineering Symposium. E1-13. 1647-1652 (1998)
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[Publications] 楠浩一、李元虎、中埜良昭、李利衡: "可変時間刻み法を用いたサブストラクチャ・オンライン地震応答実験手法" 第10回日本地震工学シンポジウム 論文集. 2. 2211-2216 (1998)
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[Publications] 日野泰道、中埜良昭、楠浩一: "鉄骨系架構により補強された鉄筋コンクリート造骨組の捻れ応答性状に関する研究" 第10回日本地震工学シンポジウム 論文集. 2. 2631-2634 (1998)