1998 Fiscal Year Annual Research Report
飽和土の時間遅れ変形・破壊挙動のメカニズム理解のための、水〜土連成解析と室内試験
Project/Area Number |
10450177
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅岡 顕 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50093175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
フェルナンド G.S.K 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80283422)
野田 利弘 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80262872)
中野 正樹 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00252263)
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Keywords | 水〜土連成 / 有限変形解析 / 三軸圧縮試験 / クリープ / 進行性破壊 / 有限要素法 |
Research Abstract |
本年度は、飽和土の時間遅れ変形・破壊に関する計算および実験((1)〜(3))を行った。すなわち(1) 練り返し粘土供試体の非排水クリープ破壊の数値シミュレーション、(2) 軟弱な地盤の急速載荷によるクリープ破壊のシミュレーション、さらに室内試験として、(3) 密詰め砂地盤の浸透破壊実験である。以下、得られた結果を示す。(1)では、構造をもたない練り返し粘土のクリープ破壊を、下負荷面カムクレイモデルを用いた水〜土連成有限変形計算により表現すことに成功した。この結果から構造をもたない粘土の非排水クリープ破壊のメカニズムを以下のように結論づけた。僅かな幾何的初期不整により、荷重放置直後には変形が高次モードで、高い耐荷力であった供試体が、荷重放置中に間隙水のマイグレーションにより、耐荷力の低い、低次モードへモードスイッチングすることにより、時間遅れで破壊が起こるというものである。この破壊に至る過程で供試体内部の過剰水圧は新たに発生し、軟化する土エレメントが増える傾向にあった。この結論は以下の(2)、(3)の現象説明にも密接に関連するものである。(2)については、一般に正規圧密状態の軟弱な地盤に盛土のような局部載荷がなされる場合、盛土を盛ることができれば、後は圧密が進行するので、地盤は強くなり安定化する一方であると言われ、このような問題を短期安定問題と言う。しかし、同様の水〜土連成計算によると限界荷重近くまで速く盛土を立ち上げた後、約1週間後に破壊に至った。このメカニズムは、盛土立ち上がり後、時間とともに排水よりも盛土内部の過剰水の移動が卓越して生じ、地盤内部の一部の土エレメントで軟化が起こるためで、(1)のクリープ現象とその破壊メカニズムは同じであると結論づけた。(3)について、浸透力による砂地盤の破壊実験では、急速載荷後放置すると、地盤内部の過剰水圧が上昇し、時間遅れで変形し、破壊に至った。(1)、(2)の数値シミュレーションでは、外力(全応力)一定のもとで、時間とともに過剰水圧の湧き出しが観測されており、本実験からも同様の結果を得ており、クリープ破壊のメカニズムの妥当性を示すことに成功した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.ASAOKA: "Undrained creep rupture of normally consolidated clay due to bifurcation mode switching during pore water migration" 4th NUMEGE'98. 1. 243-252 (1998)
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[Publications] Asaoka,A: "Progressive failure of heavily overconsolidated clays" Soils and Foundations. 39・2. 109-121 (1999)