1999 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸域砕波面での大気-海洋気体輸送機構の解明とそのモデル化に関する研究
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10450185
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
角野 昇八 大阪市立大学, 工学部, 教授 (70047398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 洋 京都大学, 防災研究所, 助手 (10027287)
竹原 幸生 近畿大学, 理工学部, 講師 (50216933)
江藤 剛治 近畿大学, 理工学部, 教授 (20088412)
細井 由彦 鳥取大学, 工学部, 教授 (50127859)
杉原 裕司 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (70243970)
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Keywords | 気泡 / 気体輸送 / 砕波 / 地球温暖化 / PTV / 風波 / 振動格子乱流 / 微小電極 |
Research Abstract |
角野は、砕波中の気泡特性と波浪特性との関連を特殊ビデオカメラによる砕波画像より解析し、混入気泡量は砕波におけるエネルギー逸散率で決定されていることを見いだすとともに、沿岸砕波帯での混入気泡の影響を考慮した気体取込輸送速度のモデル式を提案した。江藤は、砕波時の流れ場計測のための高精度画像計測技術(Super-Resolution KC法)を開発し、従来困難とされてきた水表面極近傍の速度場の計測を可能とした。竹原は、レーザ励起蛍光法を応用した技術を用いて、CO_2ガスの水中への溶入過程の可視化を可能にした。朝位は、沿岸砕波の砕波形態の違いによる気泡連行深の相違について検討し、巻き砕波の方が崩れ砕波よりも若干大きくなることを見いだした。杉原は、風波の場にあるウネリは気体輸送を促進させ、周期が短いほどその効果は大きいが、その波形勾配は影響を与えないことを見いだした。辻本は、再曝気促進のための構造物としての有孔部付水平板について、その周辺水域の流動特性および乱れ特性を数値計算とPIVによる画像解析により解析した。中村は、振動格子乱流場を対象として水表面における気体輸送速度を評価した。理論解析結果を微小酸素電極を用いた濃度境界層の濃度計測結果と比較し、Large Eddy Modelが現象を支配していることを見いだした。平口・森は、太平洋亜熱帯赤道上における水質・気象・海象に関する観測結果をもとに、そこでのCO_2、N_2Oの分布および変動特性について明らかにし、さらにその気象・海象条件との関係について検討を行った。また砕波での気泡混入に伴うガス交換過程のモデル化を行い、単一気泡による実験よりその妥当性を検証した。吉岡は、京大の田辺中島高潮観測塔における超音波を利用した気泡観測結果および同時撮影のビデオ画像より、砕波連行の気泡が水面下に取り込まれる過程の可視化に成功した。江藤・角野・竹原・辻本・細井は、大気海水界面での気体輸送現象に関する研究趨勢を文献を通して調査した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kakuno,S.,Moog,D.B. et al.: "The effect of bubbles on air-water oxygen transfer in the breaker zone"Proc.Fourth International Symposium on gas transfer at water surfaces. (in press). (2000)
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[Publications] Etoh,T.,Goda,K. and Takehara,K.: "Evaluation of errors in quadratic approximation and derivation of the optimum size of fitting subdomain in MLS to combine PTV and CFD"Proc.Third International Workshop on PIV '99. 231-236 (1999)
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[Publications] 杉原裕司、高崎敦彦、松永信博: "風波下における乱流境界層の構造"海岸工学論文集. 46. 96-100 (1999)
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[Publications] 中村由行 ほか5名: "水表面におけるガス交換の流体力学的モデル化とガス輸送機構について"海岸工学論文集. 46. 111-115 (1999)
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[Publications] 森信人、今村正裕、下島公紀: "亜熱帯赤道域におけるN_2Oの分布特性と海象気象条件の関係"海岸工学論文集. 46. 1256-1260 (1999)
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[Publications] 吉岡洋,芹沢重厚,高山知司: "超音波による海面境界層の観測(風波砕波による気泡の取込み)"海岸工学論文集. 45. 71-75 (1998)