1998 Fiscal Year Annual Research Report
社会資本整備におけるパブリックインボルブメントの導入可能性
Project/Area Number |
10450187
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森地 茂 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40016473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 盛人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70292886)
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Keywords | パブリック・インボルブメント / キックオフ・レポート / 住民意識調査 |
Research Abstract |
(1) 従来のパブリック・インボルブメント(PI)に関する研究のレビュー 従来のPIに関連する研究・事例に関して、土木計画学、都市計画学、社会学、心理学等の分野を対象として文献収集、ヒアリング調査等を行った。それらの内容を、適用手法別・対象事業別に整理し、研究系譜を作成した。その際、PIに関する研究のみならず、土木計画学分野における人間の意思決定プロセスを対象とした諸研究を、いくつかの研究領域(交通行動、PI、景観評価、...)に分類し、その研究動向に関しても考察した。 (2) 道路整備に対する国民の意識構造の分析 建設省が主体となって行った道路整備に対する国民意識調査(キックオフ・レポート)を分析対象とし、道路整備に対する国民の意識構造分析を行った。まず職業別、年齢別、性別、地域別にクロス集計を行い、個人属性による意見傾向の相違を明らかにした。次に数量化III類を用いて、個人属性と意見傾向の関係を分析し、地域による意見の多様性の相違(例、大都市:意見が画一的、地方圏:意見が多様)を見出した。 (3) 広範囲を対象としたPI手法の適用可能性の検討 1998年4月から始まる道路整備五ヵ年計画の策定において中心的役割を果たした2つの住民意識調査(キックオフ・レポート、中間取りまとめ)について、その妥当性を検証した。具体的には、(1)自由参加方式の妥当性、(2)選択肢内容・設問表記方法の妥当性、(3)実施規模の妥当性などに関して、各種統計解析手法(主成分分析、クラスター分析)を用いた分析を行った。その結果、(1)自由参加方式でも国民全体の意見の把握が十分可能であること、(2)設問において受益と負担の関係を明示することによる回答への影響が大きいこと、(3)大都市、その近郊、その他という3区分から合計で2000程度のサンプルを確保することで国民全体の意見の把握が十分に可能であること、などが結論づけられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 福田大輔、森地茂: "土木計画学における人間の意思決定プロセスを扱った研究の系譜に関する一考察" 第25回土木学会関東支部技術研究発表会講演概要集. 802-803 (1998)
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[Publications] 古川誠、森地茂: "広域を対象とするパブリック・インボルブメント手法の考察(キックオフ・レポート方式の検証)" 土木学会第53回年次学術講演会講演概要集. 第4部. 214-215 (1998)