2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450189
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
篠原 修 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70101110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 光一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70193026)
堀 繁 東京大学, アジア生物資源環境センター, 教授 (90143403)
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Keywords | 城下町の設計 / 街区 / 掘割 / 微地形 / 関発単位 |
Research Abstract |
(1)大坂を対象とした街区割りの定量的分析および排水系統分析による設計原理の考察 ・1つの開発単位においては連続した街区割りとまとまった排水系統が設計されたと仮定すると、街区割りの連続性および排水の系統により、船場地区は4つ、島之内地区は7つの開発単位に分割される。 ・船場地区における街区設計:「筋」に関しては本町橋の袂を基軸として、「通り」に関しては基本的に開発単位ごとに主要街路を基軸として町割が行われている。間口方向は、微地形を考慮して整備された背割下水の影響を強く受け、その結果船場地区全体として通り町構成が中心となっている。以上の成果は既存研究では説明できなかった街区形態の不整合を論理的に説明できる。 ・島之内地区における街区設計:堀川の開削が地区の開発過程に与えた影響が強い。長堀川や道頓堀川の開削は、両岸の敷地の開削に留まらず、地区の町割全体に影響を及ぼしている。また間口方向は、微地形を考慮して整備された背割下水の影響を強く受け、その結果島之内地区では、通町構成と筋町構成が混在する結果となっている。 (2)桑名を対象とした微地形の復原 現在の桑名では城郭地よりも町人地の標高が高く、城下町一般の定説と合致しない。その理由を分析した。 ・微地形復原手法開発:以下のような手順で城下町の微地形を復原する手法を開発した。江戸時代の絵図の中で垂直方向の寸法がわかるものは正保絵図の堀の深さと石垣の高さの記述のみである。これをもとに、堀水面から石垣天端までの高さをもとめ、水面を基準とした相対標高を求める。さらに地下水汲上げによる地盤沈下量による補正を行う。 ・桑名の微地形復原と城下町設計原理:復原された微地形は現状と異なり、町人地が城郭地よりも低くなっていた。すなわち城下町設計の例外とされてきた桑名でも、原則通りの城下町設計がなされていたことが判明した。
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