1998 Fiscal Year Annual Research Report
都市直下地震を想定した入力地震動の考え方と地域防災計画のあり方
Project/Area Number |
10450198
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡田 成幸 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50125291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 伸雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10281792)
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Keywords | 地震被害 / 1995年兵庫県南部地震 / 直下地震 / 地震被害評価 / 震源パラメータ / 不確定性 / 地震防災計画 / 札幌市 |
Research Abstract |
本研究の目的は、従来の被害評価手法が都市直下の地震にはそのまま適用できないことを数値シミュレーションから指摘し、都市直下に地震が想定される場合の被害評価法のあり方を、札幌市を例に具体的に与え、被害評価の際に、起震断層が特定できず震源パラメータが一意に絞り込めない場合、または起震断層に不確定要素が多い場合、あるいは多くの起震断層が想定される場合に防災上対処できるべく、直下地震による被害評価の結果をいかにして地域防災計画へ反映させ得るかについて言及することにある。そのための研究期間を2カ年に設定した。平成10年は初年度に相当し、目的遂行のために以下のサブテーマを設定した。 (1) サブテーマ1:直下地震被害評価の問題点発掘 (2) サブテーマ2:直下地震の被害評価法の提案 成果とし、サブテーマ1に関しては、研究フィールドである札幌市の自然環境・社会環境資料を収集し、データベース化が完了した。それにもとづいて、被害評価シミュレーションを行い、直下地震で不確定性が問題となる震源パラメータの評価結果への影響を数量的に明らかにした。震源パラメータの内、特に断層破壊開始点の影響が大きく、被害量で約10倍の格差を生じることが確認でき、防災計画立案への問題点として指摘した。 サブテーマ2に関しては、1の結果を承け、札幌市を事例として評価結果を防災計画に反映させる場合に検討すべきルールを、地震学的観点・地震工学的観点・防災行政的観点からそれぞれ提示した。 以上の成果を学会誌へ投稿すべく準備中である。ほぼ計画通りの遂行状況にあり、次年度は、本年度の成果の一般化に主目的が移行する予定である。
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