2000 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトな特殊エッジ形状を持つ防音壁の遮音性能に関する研究
Project/Area Number |
10450213
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Research Institution | Kyushu Institute of Design |
Principal Investigator |
藤原 恭司 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (00038978)
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Keywords | 防音壁 / ソフトな音響境界条件 / 土木音響学 |
Research Abstract |
これまでの研究で開発してきたソフトな円筒状エッジを持つ遮音壁の騒音制御性能が、建築限界等による円筒状エッジサイズの限界により更に大きくすることが困難であることである。そこで本研究では、道路建造物の高さ制限3.8mを越える遮音壁の場合であれば、エッジ形状をより大きくすることが出来るので、そのエッジ幅と遮音性能の関係を明らかにするとともに、遮音壁の性能を最大限発揮させるための手法の開発を目的とした。 まず、これまでの研究で明らかになっていた1/4波長音響管の設計周波より若干小さな周波数において生じる管開口部音圧上昇現象、いわゆる"負の効果"を小さくするために、繊維性抵抗部材などを用いる方法を検討した。しかし、負の効果は小さくなるものの、設計周波数異常の周波数において管開口部の音圧レベルの上昇がみられ、効果が減少することが明らかとなった。 これに対して、今回の研究では負の効果を低減させるためにさらにエッジサイズを大きくし、幅2m、厚さ60cm程度にすることを試みた。このように深さを深くすることで設計周波数をより低周波数にすることが出来る。このような形で設計された新しい音響管配列T字型ソフトエッジを取り付けた新型遮音壁の遮音性能を境界要素法で数値計算したところ、比較的大きな遮音性能が得られた。従来の遮音壁と性能比較するために、第2東名神高速道路に建設されている高さ9m、湾曲部6m、総断面長14mの遮音壁の遮音性能を比べた。本研究による新型遮音壁を用いて地面近傍で同等の遮音性能を示すには幅2m、高さわずか6mのもので良いことが明らかとなった。またそれらの縮尺模型実験を行ったところ、数値計算結果と模型実験結果とは高周波数域を除いて比較的よい一致をみることが出来た。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Okubo: "Efficiency of a noise barrier with an acoustically soft cylindrical edge for practical use"J.Acoust.Soc.Am.. Vol.105,No.6. 3326-3335 (1999)
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[Publications] T.Okubo: "Efficiency of a noise barrier on the ground with and acoustically soft cylindrical edge"Journal of Sound and Vibration. Vol.216,No.5. 771-790 (1998)
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[Publications] T.Okubo: "Efficiency of a noise barrier with an acoustically soft cylindrical edge"J.Acoust.Soc.JPN.(E),. Vol.19,No.3. 187-197 (1998)
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[Publications] 大久保朝直: "ソフトな円筒エッジを持つ防音壁の遮音性能"日本音響学会誌. 52巻12号. 957-966 (1996)