1998 Fiscal Year Annual Research Report
形態的観点に立脚する3次元技術を駆使した建築壁体の遮音メカニズム解析
Project/Area Number |
10450214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
大鶴 徹 大分大学, 工学部, 助教授 (30152193)
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Keywords | 遮音解析 / 透過損失 / 有限要素法 / 音響インテンシティ / 弾性板 / 有限板 / 境界条件 / 内部損失 |
Research Abstract |
本年度は研究の当初として、数値解析と実験の両面について基礎的検討を実施し次年度への礎とした。数値解析では下記を実施した。 まず、有限要素法に基づく遮音解析手法における放射インピーダンス算定ルーチンの改良として、従来精密な数値積分を用いてきた空気から弾性壁体への反力項の処理を等価円積分へと簡略化した。この改良で該当部分の処理速度を約33%向上させることに成功している。なお得られたインピーダンス値の妥当性は、従来の手法による値との一致、並びにモード間の相反性、の両面から確認された。続いて、弾性壁体の内部損失データの導入を試み実験との有機的結合を図ることで、より高精度の解析を目指した拡張を行った。 実験では下記を実施した。 まず、音響インテンシティ法による透過損失測定に関し、側路伝搬や振動の影響を生じない周辺支持枠の作成、固定・単純支持・弾性支持の実現方法の開発、P-Iインデックスによるリアクティブネスの検討からマイク間距離180mmへの決定、を行った。また、1/12オクターブバンドでの測定可能周波数は、概ね50〜630Hzと判断された。併せて、試料の内部損失測定に関して、試料の損失を処理する初段として内部損失実測手法の検討を行い、音響加振-自由振動法による方法を開発した。なおこれらの実験においては購入した設備備品を活用してしいる。 最後に、1.2mm並びに2.3mm厚アルミニウム板(760×430mm^2)の遮音特性を上記の数値解析並びに実験で求め比較したところ、対象周波数領域全般にわたり良好な一致が得られることが確認された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Otsuru,Purnomo R.Tomiku,K.Tanaka: "Sound Transmission Analys through Elastic Plates by a Finite Elemetal Procedure" Sixth International Congress on Sound and Vibration. 印刷中 (1999)
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[Publications] T.Otsuru, Purnomo, T.Uchida,et.al.: "Sound Transmission Analysis of Finite Elastic Plates-Verification of Computational Method by Intensity Measurements on Plates with Various Boundary Conditions-" 日本建築学会九州支部研究報告集. 38・2. 61-64 (1999)
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[Publications] 大鶴 徹、田中健士 他: "計算力学的手法による弾性板の遮音特性解析-損失係数実測データの導入及び算定手法の改良" 日本建築学会九州支部研究報告集. 38・2. 65-68 (1999)
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[Publications] 大鶴 徹、冨来礼次 他: "有限要素法による音場解析に関する研究-吸音体のモデル化に関する基礎的検討-" 日本建築学会九州支部研究報告集. 38・2. 69-72 (1999)
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[Publications] 大鶴 徹、内田智之 他: "有限要素法による音場解析に関する研究-簡易両耳モデルの試行-" 日本建築学会九州支部研究報告集. 38・2. 73-76 (1999)
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[Publications] 大鶴 徹、Purnomo 他: "逆スラブ工法マンションの床衝撃音遮断特性(その4)" 日本建築学会九州支部研究報告集. 38・2. 77-79 (1999)