2000 Fiscal Year Annual Research Report
形態的観点に立脚する3次元技術を駆使した建築壁体の遮音メカニズム解析
Project/Area Number |
10450214
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Research Institution | OITA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大鶴 徹 大分大学, 工学部, 助教授 (30152193)
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Keywords | 遮音解析 / 透過損失 / 有限要素法 / 音響インテンシティ / 弾性板 / 残響室 / 音場解析 / 拡散性 |
Research Abstract |
最終年度にあたりまず、音響インテンシティ法による透過損失測定、及び入射、反射、放射性状のベクトルプローブによる測定を実施した。なお、試料取り付け部を含めた音場全体の性状をより詳細に検討するため、アルミニウムより質量が大きく反射性の高い鉄板を試料として用い、音響入射特性を測定した。測定されたインテンシティの3次元空間的特性は周波数毎に膨大なデータ量となるため、詳細にわたる定量的検討については今後の課題とするが、音源室-試料取り付け部-受音室の各音場の定性的な特徴の視覚化を行うことができた。 さらに約125Hzと250Hz近傍の周波数領域において、試料取り付け開口部に生じる定在波の影響で受音室内平均音圧には認められない音圧の凹凸が生じ、透過損失値に影響を及ぼすことを確認した。 続いて[数値解析的検討]について、比放射インピーダンス算定の演算時間を低下させることなく算定式の簡略化を図った。これによって本研究で提案する式を用いたプログラミングをより容易とするものと期待される。 また、残響室形状の違いによる音場の差異は大きく、特に低周波数帯域の測定における音場の拡散性の違いは詳細な音響透過現象の検討の際には無視し難い問題と考えられる。そこで室形態と入射条件や拡散状態に関する重点的な検討を実施した。 この検討では、研究代表者等により開発され精度面での十分な検討を経たFEM3次元音場解析プログラムを用いている。その結果、本研究の実験で用いてきた不整形残響室の、1/3oct.bandで平均した音圧分布の標準偏差から判断される拡散性上に、隅,壁面上,室内空間の音源位置による有意差はないことが明らかとなった。また挟帯域とした検討でも、音源位置よる拡散性の差はほとんど見らないことが明らかとなった。
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[Publications] Toru Otsuru,Reiji Tomiku: "Accuracy of finite element sound field analysis of an irregular shaped reverberation"Proc.of ICSV 7. Vol.3. 2093-2100 (2000)
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[Publications] Reiji Tomiku,Toru Otsuru: "Finite element analysis of diffusion in an irregular shaped reverberation room"Proc.of ICSV 7. Vol.2. 1717-1724 (2000)
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[Publications] Reiji Tomiku,Toru Otsuru: "Finite element analysis of diffusion in an the reverberation rooms"Proc.of WESTPRAC VII, 2000. Vol.2. 1013-1016 (2000)
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[Publications] 富来礼次,大鶴徹: "残響室内音場の有限要素解析-残響室内拡散性の検討-"日本建築学会大会学術講演梗概集. D-1. 77-78 (2000)
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[Publications] 富来礼次,大鶴徹: "有限要素法による残響室内拡散性の検討"日本音響学会講演論文集. I. 745-746 (2000)
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[Publications] 田中健士,大鶴徹 他: "形態的観点に立脚する3次元技術を駆使した建築壁体の遮音メカニズム解析"日本建築学会研究報告九州支部. 第40号・2. 89-92 (2001)