1998 Fiscal Year Annual Research Report
「既存密集市街地を対象とする防災・安心ネットワーク」
Project/Area Number |
10450226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長谷見 雄二 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40298138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍵屋 浩司 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 助手 (90298191)
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Keywords | 密集市街地 / 火災感知 / ケーブル・ネットワーク / 高令化 / 地域防災 |
Research Abstract |
岐阜県高山市三町重要伝統的建造物群保存地区を対象として以下の調査研究を行った。 (1) 火災情報ネットワークの実態調査 地域防災事業として平成8年度から地区内各住戸(計100戸)に設置している火災情報ネットワークの維持管理について住民の実態・意識調査を行った。その結果、非火災報が近隣住戸に送達された時の処置法について住戸間で種々の取り決めが設けられており、それを通じて防災が日常会話の話題に取りあげられて、防災に対する関心を却って高めるという意外な傾向が認められた。一般には地域防災対策では設備・機器等が有効に利用されないまま放置されがちであることを考慮すると、装置系の防災対策を有効に機能させる基盤となり得る貴重な事実であり、このような傾向がどのように形成されたかを更に分析する計画である。一方、調査では、ネットワーク端末の操作がわかりにくい等の不満も多く指摘されたため、操作を容易にしたり習熟し易くする方法を提案し、有志住戸でその有効性と問題点を把握するためのモニタ調査を開始した。 (2) 事故/急病情報のネットワーク設計 火災情報ネットワークのハードウェアに、高齢世帯等の事故・急病の発生を発信・通報する機能を付加する設計を行い、地区内の高齢世帯2住戸に設置して、その効果と問題点を把握するためのモニタ調査を開始した。これは、市場で入手できる無線・有線発信器を使用して、無線発信器は、高齢者が原則として常時携行し、有線発信器は浴室等、高齢者が日常的に利用していながら発信器の携行が困難な室に設置して、事故・急病等の信号を釦操作でネットワークに送達するシステムである。市場で入手できる装置を使用したのは、修理・点検等を容易にするためである。
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