1999 Fiscal Year Annual Research Report
Plan-view HREM法によるキンク拡散バリアの原子分解能直接測定
Project/Area Number |
10450230
|
Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
前田 康二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10107443)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 邦夫 長崎大学, 工学部, 助教授 (50107439)
目良 裕 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40219960)
|
Keywords | 高分解能電子顕微鏡 / 格子像 / 転位 / キンク / 電子励起転位すべり効果 / Ge / GaN / 画像処理 |
Research Abstract |
転位線をすべり面に垂直方向から観察して得た高分解能電子顕微鏡(HREM)写真を画像解析することにより,従来の弱ビーム法に比べ飛躍的に高い分解能で転位線形状を抽出できる新しい手法-plan-view HREMN法を用い転位運動の素過程のひとつであるキンク拡散過程を追跡し、転位運動における基本的物理量であるキンク拡散の熱活性化エネルギーの絶対値を分離測定すること、REDG効果(電子線照射などの電子励起によって転位速度が著しく増大する現象)がキンク拡散レベルで起こるのか否かを明らかにすることを目的に実験を行なった。塑性変形によって転位を導入したGe試料を用いて、連続して撮影した画像から30部分転位線像を抽出した結果、左右両タイプのキンクとも電子線照射によって運動が促進されることを明らかにした。電子励起下でのキンクの拡散の活性化エネルギーは約0.75eVと評価された。当初計画していた低温での実験は、試料の膜厚が極めて薄いため、冷却時に起こる極くわずかなコンタミネーションによって良好なHREM像を得ることが困難になることが分かり、成功していない。いっぽう、六方晶GaNの粉末単結晶を粉砕して転位を導入した試料について電子線照射効果を調べた結果、底面のらせん転位およびいずれかの極性をもった刃状転位、ピラミダル面の混合転位のすべりが電子励起によって促進されることを見出した。進行方向に対して凹状の転位の運動が促進されることから、キンクの運動が促進されることを結論した。
|
-
[Publications] Y.Yamashita: "Hydrogen Enhanced Dislocation Glides in Silicon"Phys.stat.sol.(a). 171. 27-34 (1999)
-
[Publications] K.Maeda: "Electronically induced Dislocation Glide Motion in Hexagonal GaN Single Crystals"Physica B. 273/274. 134-139 (1999)