1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450232
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
足立 裕彦 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 一禎 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10283631)
西谷 滋人 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50192688)
田中 功 京都大学, 大学院・エネルギー化学研究科, 助教授 (70183861)
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Keywords | 金属ホウ化物 / DV-Xα法 / 分子軌道計算 / クラスター法 / 電子構造 / 化学結合 |
Research Abstract |
ホウ素やケイ素などのメタロイド元素は,結晶中でダイマー,鎖状,層状などのクラスターを形成することは古くから知られている。とくにホウ素の場合は,共有結合半径が80pmと小さいためユニークな原子配列をとり,これに基づいた特徴的な機能が発現する。例えばBが層状となるMgB_2,AIB_2,TiB_2などは固くて高融点であり,電気伝導度は単体金属よりも高い。類似の複雑な化合物であるLaNiBC化合物は最近高温超伝導を示すことが報告された。高い3次元構造を持つものには,CaB_6,LaB_6のように正八面体ホウ素クラスターB_6と金属元素が塩化セシウム型構造を持ったものや,YB_<12>やAIB_<12>のように正20面体ホウ素クラスターB_<12>と金属元素が岩塩型構造を持ったものがあり,LaB_6の熱電子放出特性はすでに実用化されている。 このような多彩な性質にかかわらず,いままでに定量的な議論が可能となるような電子状態計算は一部の代表的な化合物を除いてはほとんど行われてこなかった。その最大の理由は,これらの化合物の持つ複雑な結晶構造にある。端単位格子中に数10個の原子を含む結晶の制度の高いバンド計算はそれ自身多大な計算量を要求するものであるし,最密充填構造を持たないこれらの化合物の近似計算には,常に系統的な誤謬がつきまとう。 本研究では平成10年度より2年間,主に理論計算に基づいて,その電子状態と化学結合状態を系統的に明らかにし,機能発現の起源についての議論を行った。主として採用した手法は原子数100個程度のモデルクラスターを用いたDV-Xα法分子軌道計算法である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Mizuno: "Chemical bonding of titanium-metalloid compounds"Phys. Rev. B. 59. 15033-15047 (1999)
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[Publications] 田中 功: "金属材料の電子論―セラミックスの視点から"セラミックス. 34. 3217-3228 (1999)
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[Publications] S.R.Nishitani: "Medelung energy of metal-metalloid compounds"Comp. Mater. Sci.. 14. 62-66 (1999)