2000 Fiscal Year Annual Research Report
分子動力学シミュレーションによる照射した固体中の損傷組織発達原子レベル過程研究
Project/Area Number |
10450233
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
下村 義治 広島大学, 工学部, 教授 (40033831)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西口 理恵子 広島女学院大学, 生活科学部, 助教授 (60258283)
向田 一郎 広島大学, 工学部, 助手 (70209980)
杉尾 健次郎 広島大学, 工学部, 助手 (90294545)
桐谷 道雄 広島工業大学, 工学部, 教授 (70033826)
|
Keywords | 転位のシンク効率変化 / 格子間原子集合体の転位偏析 / ボイド形成原子レベル過程 / ボイドの核原子空孔 / string-like構造 / 原子空孔集合体の移動・合体 / vacancy ball / 核融合中性子照射 |
Research Abstract |
平成12年度には以下の分子動力学シミュレーションにおいて固体中の損傷欠陥発達原子レベル過程を明らかにした。(1)中性子照射した金属において変位カスケード損傷にて形成した格子間原子及びその集合体は転位の歪み場により引き寄せられて吸収され消滅するのではなく転位線に沿って集合体の偏析を生じ、転位線に沿ってこれらが合体して複雑構造転位ループを形成する。同時に転位の点欠陥シンク能力が急激に増加することを明らかにした。コンピュータ・シミュレーションによりこの現象は格子間原子が転位上に拡張ジョグを形成しての吸収困難さにより発生することを明らかにした。この転位の点欠陥シンク能力の変化が照射量に対するボイド数密度変化に反映している事を明らかにして論文にて公表した。(2)面心立方金属の原子空孔集合体は高温照射中に原子空孔を蒸発して一部の集合体が成長するのではなく、集合体は原子空孔が最近接位置でつながっているstring-like構造に緩和した後にDamask-Dienes-Walzer構造への緩和を通じて集合体として移動して、これらが短距離に配置する場合には応力場の影響を受けて合体することを明らかにして論文として公表した。(3)高温で中性子照射したfcc金属でのボイドの形成原子レベル過程を明らかにした。変位カスケード芯にて形成した原子空孔は集合して集合体に緩和する。空孔数が300個以下ではこれらは最蜜(111)原子面上に集まり続いて積層欠陥四面体に緩和する。450個以上では高温では出来る限り球状の安定状態に集まろうとして異なる(111)面上のplatletを構成してvacancy ball状に緩和して更なる原子空孔の追加によりボイドに成長する機構を明らかにしてMRSで発表し論文として公表した。(4)核融合中性子照射した金属での損傷形成基礎過程を明らかにしてMRSで発表公表した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Y.Shimomura: "Development of vacancy clusters in neutron-irradiated copper at high temperature"J.Nucl.Mater.. 283-287. 249-254 (2000)
-
[Publications] I.Mukouda,: "Microstructure in pure copper irradiated by simultaneous multi-ion beam of hydrogen, helium and self ions"J.Nucl.Mater.. 283-287. 302-305 (2000)
-
[Publications] I.Mukouda: "Annihilation of Interstitial Atoms to Dislocations in Neutron-irradiated Cu and Ni at High Temperature"Materials Science & Engineering : A. (in press). (2001)
-
[Publications] Y.Shimomura: "Atomistic Mechanism of Nucleation and Growth of Voids in Cu studied by Computer Simulation :"Mat.Res.Soc.Symp.Proc.. (in press). (2001)
-
[Publications] I.Mukouda: "Dynamical Behavior of Voids in Neutron-irradiated Copper at Elevated Temperature"Mat.Res.Soc.Symp.Proc.. (in press). (2001)
-
[Publications] Y.Shimomura,: "Point Defects Observed in D-T neutron irradiated Copper, Silver and Gold at 288K with a Rotating Target in FNS JAERI"Mat.Res.Soc.Symp.Proc.. (in press). (2001)