1999 Fiscal Year Annual Research Report
生体内長期埋め込みを想定した機能的電気刺激電極用新合金の開発および特性評価
Project/Area Number |
10450251
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井口 泰孝 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (90005413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯久保 知人 大同特殊鋼株式会社, 技術開発研究所, 特殊鋼研究部長(研究職)
半田 康延 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (00111790)
星宮 望 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50005394)
成島 尚之 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20198394)
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Keywords | 機能的電気刺激 / FES / 電極 / 生体材料 / インプラント材料 / ステンレス鋼 / 機能再建 / 疲労特性 |
Research Abstract |
目的:生体内完全埋込型の機能的電気刺激電極材料の探索とその特性評価を目的に合金設計と元素溶出特性および疲労特性評価を行った。 実験方法:合金設計はステンレス鋼系とチタン合金系について検討した。元素溶出特性評価にはイオンクロマトグラフとICP発光分析を併用した。疲労特性は回転曲げ試験機により行った。疲労試験には25ミクロン径素線を19本撚り合わせたものを使用した。 結果:ステンレス鋼系に関しては、従来品のSUS316系よりも生体毒性を有するニッケルの含有量を減少させると共に、マンガンと窒素を増加させ機械的強度の向上を図るとの方針の下、合金設計を行った。設計された新合金(NAS106N)に関して特性を評価したところ、ニッケル含有量の減少による生理食塩水へのニッケル溶出の減少が確認された。新合金の大気中における疲労特性では、従来品以上の疲労限が得られ、新合金の良好な機械的特性が確認された。一方、生理食塩水中では新合金も含めた全てのステンレス鋼系供試材で明瞭な疲労限が確認されなかった。疲労試験後の試料観察より、試料の素線径の減少が観察された。疲労試験の際の回転に伴い摩耗が発生する、すなわち摩耗疲労腐食が進行するものと考察した。現在は、より生体に近い環境である乳酸溶液中における溶出試験および疲労試験を行うと共に、NAS106Nを刺激電極としたFESシステムを構築し動物実験を行っている。一方、チタン合金系では生体有害元素を含まずかつ良好な冷間加工法を有するTi-Mo-Fe-Zr-Nb-Ta-O-N-C系における合金設計を行った。更に設計した合金の溶解および基本的な機械的特性の評価(ビッカース硬度等)、組織調査を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Iguchi: "Investigation of the used FES electrodes and development of new electrode for totally implanted FES system"Proceedings of the 8th Korea-Japan FES Symposium. 4-4 (1998)
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[Publications] M.Watanabe: "Evaluation of Fatigue Properties of High Nitrogen High Manganese Austenite Stainless as an FES Electrode"Proceedings of 4th Annual Conference of the International Function Stimulation Society. 121-123 (1998)