2000 Fiscal Year Annual Research Report
微量ドーパントを利用した新しい耐熱セラミック材料の設計
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10450254
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
佐久間 健人 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50005500)
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| Keywords | アルミナ / 酸化物系セラミックス / クリープ / 耐熱性 / 粒界電子構造 / 分子軌道計算 |
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| Research Abstract |
Al_2O_3に代表される種々の酸化物系セラミックスについて、その高温における機械的特性を検証した。その結果、Al_2O_3系セラミックス耐熱性改善には、イオン化数3価を取るランタノイド元素の微量添加が有効であることを見出した。また2価や4価といった陽イオンの添加は高温クリープ特性を向上させる元素と、逆に劣化させる元素とがあることが明らかとなった。一方、高分解能電子顕微鏡を利用した粒界構造解析と、電子顕微鏡に付属の電子エネルギー損失分光法(EELS)による分析結果から、ドーパントの粒界偏析に伴う原子間化学結合状態の変化が検出された。また走査型電子顕微鏡(STEM)とEDSとを併せた分析によって、こうした粒界偏析・電子状態の変化は試料に一様に起きていることを見出した。さらに、DV-Xα法による第一原理に基づく分子軌道計算から、状態密度(DOS)を調べることによってEELSで検出された化学結合状態の変化を解析することに成功した。この化学結合状態の変化は、粒界に於ける陽イオン-陰イオン間の電子状態の変化に起因するものであり、イオン間に働くクーロン力等の化学結合力の上昇を伴うことが判明した。以上のように本年度は,Al_2O_3をはじめとする酸化物系セラミックスの耐熱性というマクロな現象が、粒界微細構造と密接に関連していることを見出した。この結果は、耐熱セラミックス材料開発の理論的指針を得る上で極めて重要な知見である。
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[Publications] P.H.Imamura,M.Mccartncy,N.D.Evans and T.Sakuma: "High temperature tensile deformation of glass doped 3Y-TZP"J.Am.Ceram.,. (in press).
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[Publications] T.Sakuma: "Grain boundary-related high-temperature plasticity in oxide ceramics : The effect of cation doping"J.Phys.. 10. 157-162 (2000)
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[Publications] G-D.Zhan,M.Mitomo,T.Nishimura,R.J.Xie,T.Sakuma and Y.Ikuhara: "Superplastic behavior of fine-grained β-silicon nitride material under compression"J.Am.Ceram.Soc.. 83. 841-847 (2000)
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[Publications] H.Yoshida,Y.Ikuhara and T.Sakuma: "Improvement of creep resistance in polycrystalline Al2O3 by Lu-doping"J.Inorganic Materials,1(1999)229-234. 1. 229-234 (1999)
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[Publications] T.Yamamoto,A.Jaroenworaluck,Y.Ikuhara and T.Sakuma: "Nanoprobe analysis of core-rim structure of carbides in TiC-20wt%Mo2Cwt% Ni cermet"J.Mater.Res.. 14. 4129-4131 (1999)
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[Publications] Y.Ikuhara,Y.Nagain,T.Yamamoto and T.Sakuma: "High-temperature behavior of SiO2 at grain boundaries in TZP"Interface Sci.. 7. 77-84 (1999)
