1998 Fiscal Year Annual Research Report
常温再結晶を利用したステンレス鋼の組織制御と超強靱化
Project/Area Number |
10450263
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
飴山 惠 立命館大学, 理工学部, 教授 (10184243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 政男 立命館大学, 理工学部, 教授 (20111130)
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Keywords | 再結晶 / ステンレス鋼 / 組織制御 / 結晶粒微細化 / 超強加工 / 射出成形 / 粉末冶金 / 積層欠陥エネルギー |
Research Abstract |
「高ひずみ付加PMプロセス」は、化学組成に全く手を触れずに材料の超強靭化を達成しうる画期的な手法である。しかしながら、その組織制御メカニズムには不明点が非常に多く、常温での再結晶挙動や蓄積された過剰の欠陥の回復挙動、加熱時の相変態挙動、などの詳細は明らかにされていない。 本研究では、高ひずみ付加PMプロセスによる組織制御メカニズムについて検討を行った。超強靭化のために重要な条件として結晶粒が微細であることがあげられる。超強加工された粉末の加工プロセスと積層欠陥エネルギーとの関連性、さらに、粉末の加熱(焼結)過程での相変態挙動や粒成長過程と組織の微細化との関連性について詳細な検討を行い、超微細結晶粒形成メカニズムについて検討した。積層欠陥エネルギーの影響に関しては、オーステナイト系ステンレス鋼、Cu、においては、積層欠陥エネルギーが小さな場合は、不均一変形を起こしやすいために、変形が集中した領域で微細な結晶粒回転を起こし、それが再結晶核として働くことを見出した。一方、Niなとの積層欠陥エネルギーが大きな場合には、サブグレインの形成とサブグレインの回転によって徐々に微細化が進行することを明らかにした。したがって、粉末の結晶粒微細化には材料の変形機構が密接に関わっている。 さらに、本申請に関わって、高効率のアトライターを申請した。本装置を用いて超強加工における効率についても詳細な検討を行った。その結果、一定時間の高速回転と低速回転を繰り返し行うことにより、粒子径約10ミクロンの均一なミリング粉末が得られることが明らかとなった。この結果から、粉末の射出成形において重要な粉末の均一性を達成できることが示された。
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