2000 Fiscal Year Annual Research Report
顕微水素イメージングシステムの応用による材料中水素挙動の定量的解析
Project/Area Number |
10450264
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
斎藤 英之 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (00235061)
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Keywords | 水素拡散 / 水素吸蔵合金 / プロチウム / トリチウム / バナジウム / イメージングプレート |
Research Abstract |
本年度は,V_<95>Fe_5合金およびBCC相単相のV_<35>Cr_<40>Ti_<25>合金を試料として,これらの合金中の水素濃度分布と添加元素および存在する相との関係を調べた.V_<95>Fe_5合金では,鉄の添加は水素吸収量を増加させること,および水素の分布は鉄の偏析による鋳造組織に対応して変化することがわかった.水素の拡散方向に沿った断面方向における水素のマッピング像と合金元素である鉄のマッピング像を比較することにより,水素濃度の高い領域では鉄の濃度は低く,水素濃度の低い領域では鉄の濃度は高いことから,局所的な平衡水素濃度は鉄の偏析と相関のあることが示された.水素濃度分布のラインプロファイルの解析から,水素濃度と鉄濃度の関係を定量的に得ることができた.局所的な領域における水素濃度と合金組成との関係が得られたことから,傾斜組成とした合金試料に対して本実験手法を応用することにより,水素吸蔵合金組成の最適化が可能になると考えられる.V_<35>Cr_<40>Ti_<25>合金では,水素分布と試料構成元素であるバナジウム,クロム,チタンの分布および微細組織との関係を調べた.試料作成時に水冷銅鋳型に接していた領域において,水素濃度分布はチタンの分布と相関があり,水素濃度はチタン濃度の高い領域において高かった.しかしながら,徐冷凝固部および急冷凝固部では,水素分布とチタン分布には明瞭な相関は見られなかった.これらの領域では水素分布はデンドライトの形態に依存して変化することがわかった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 本間啓史: "ラジオルミノグラフ法によるV-FeおよびV-Ti合金中の水素分布の観察"日本金属学会誌. 64巻5号. 295-298 (2000)
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[Publications] H.Saitoh: "Application of imaging plate to visualize hydrogen location in metals"J.Mater.Sci.Lett.. 19巻. 751-753 (2000)
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[Publications] 斎藤英之: "ラジオルミノグラフ法によるV-Zr-Ti-Niプロチウム吸蔵合金中の水素挙動"日本金属学会誌. 64巻9号. 763-766 (2000)