1998 Fiscal Year Annual Research Report
接合と分離における厳密な可逆過程の可能性-材料リサイクルのための基礎研究-
Project/Area Number |
10450267
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
恩澤 忠男 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 邦夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70226827)
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Keywords | 凝着 / 原子間力顕微鏡 / 超高真空 / 分子動力学 / 結合状態 / 界面 / 電子分光 / 表面分析 |
Research Abstract |
ゼロエミッションもしくは素材のリサイクルのために,固体間凝着現象において,厳密な可逆接合が可能となるか否かについて,実験的・理論的検討を行った. 実験的検討には,我々が世界で初めて完成させた表面分析装置内における任意固体間の凝着力計測システムを利用した.分担者高橋が中心となり,超高真空の表面分析装置内における固体間凝着力計測システムに組み込むことのできる,超高真空対応局所加熱システムを設計した.大気中での動作を確認し,次に排気速度の大きい超高真空システムで動作を確認した.脱ガス量等を確認したうえで,最終的に上記,表面分析装置内における任意固体間の凝着力計測システムに組み込んだ.結果的に,10^、-8torr以下の圧力で6ワット以上の出力を出せるシステムを作る事ができた.実際の実験には試料の大きさ(熱容量)および熱伝導(形状,固定方式)を考慮することにより,シリコンウエハの吸着酸化膜を除去できる程度の加熱が可能であることが判明した.また,Takahashi-Pollock-Burnham-Onzawa理論に従い,力計測システムの高剛性化をこころみた. 理論的検討では,やはりTakahashi-Pollock-Burnham-Onzawa理論をベースに,原子サイズの影響を考慮したMEAM理論を利用することにより,その原因についても学術的知見を得ることを試みた.そのための計算アルゴリズムおよび計算プログラムを作ることができたが,計算時間が膨大になる事が判明し十分大きな系では計算できていない,この点に関しては今後の課題と言える.
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