1999 Fiscal Year Annual Research Report
接合と分離における厳密な可逆過程の可能性-材料リサイクルのための基礎研究-
Project/Area Number |
10450267
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
恩澤 忠男 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 邦夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70226827)
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Keywords | 凝着 / 原子間力顕微鏡 / 超高真空 / 分子動力学 / 結合状態 / 界面 / 電子分光 / 表面分析 |
Research Abstract |
ゼロエミッションもしくは素材のリサイクルのために,固体間凝着現象において,厳密な可逆接合が可能となるか否かについて,実験的・理論的検討を行った.実験的検討には,我々が世界で初めて完成させた表面分析装置内における任意固体間の凝着力計測システムを利用した.理論的検討としては,連続体近似理論および修正埋め込み原子法を用いた数値計算によって検討した. 固体間凝着力が発生する系で弾性変形領域で凝着実験を行い,凝着力の発生を確認した後,オージェ電子分光法にて固体表面を分析したが,"こびりつき"は観測されなかった.塑性変形領域で凝着実験を繰り返したのち,オージェ電子分光法にて固体表面を分析した場合は,"こびりつき"が観測された.6ホウ化ランタンをフィラメントとする電子銃によるオージェ電子分光装置では観測できない程度の"こびりつき"は無い場合があることから,厳密な可逆過程の可能性が示唆された. 理論的な面では凝着力を利用した可逆接合による接合面の強度をみつもった.弾性連続体の半無限固体と正弦波状の凹凸をもつ剛体の接触の際に,接触領域の面積,界面における応力分布,全系のエネルギーを外部応力の関数としてあらわした.従来知られているJohnsonの解が近似解であることが判明し,我々の解が厳密解であることが明らかになった.将来の分子力学近似による検討のためのポテンシャルとして修正埋め込み原子法が有効であることを明らかにした.
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