1999 Fiscal Year Annual Research Report
ナノインデンテーションによる極表面変形のマイクロメカニクス
Project/Area Number |
10450269
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
田中 紘一 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (90143817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 健 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (40303185)
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Keywords | インデンテーション試験 / SEMプロファイル / P-h曲線 / 除荷曲線 / 接触面積 / 接触深さ / ヴィッカース圧子 / 弾性 |
Research Abstract |
ナノインデンテーション試験では微小領域で負荷および除荷過程における荷重Pおよび押込み深さhを連続的に測定してインデンテーション曲線(P-h曲線)を描き,その曲線から材料の機械的特性を算出するが実際の接触面積Aについての情報は得られない.本年度は得られた圧痕のSEM画像プロファイルから各荷重における接触面積Aを解析的に求めることを試み,圧痕の応力分布を算出して最大負荷荷重Pmax,接触深さhAを求めるとともに除荷曲線を再現し,実験で得られたP-h曲線と比較検討した. 実験ではヴィッカース圧子を用いてジルコニア(Zr02)のインデンテーション試験を行い,解析に縦241,横321画素.縦,横とも0.125μm間隔で測定したSEM画像を用いた.P-h曲線は負荷荷重Pmax=4.9Nで最大押し込み深さhmax=4.59μmが得られた.この圧痕の接触面積Aを次のような手順で計算した. SEM画像の最深点を探して圧痕の中心とし,この圧痕中心から対角線上の稜線を辿り最高点を見つけ,この2点を斜辺とする直角二等辺三角形を取り出し計算範囲とする.次に理想的圧子が最大押込み深さまで押込まれたものと仮定してSEM画像との差分を弾性戻り分(u3i)とし,各点における影響係数を算出して影響係数と弾性戻り分から連立方程式をたてて解く.ここで得られた要素に圧力が負となるものがあれば除外し,すべての要素の圧力が正となるようにする.最後に圧力要素からPmaxを求め,要素数から接触面積Aを計算した. 以上の手順で求めた除荷曲線は実験で得られた除荷曲線と比較すると全域にわたってよく一致した.また解析で求めた要素とSEM画像ともその形状と大きさはよく一致しており,接触面積を正しく表していると考えられる.またこの接触面積Aを用いて計算した接触深さhAも過去の理論式で求めたものとほぼ等しくなった.
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